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2021年01月21日(木) 金融機関との交渉を弁護士以外に依頼する場合

弁護士以外の専門家の場合、弁護士法の規定により、本人の代理人にはなれないので支援者という立場になります。債権者にしてみれば、「手強い支援者は解任することを交渉の条件にしよう」と考えるのも無理はありません。

 

実際にあった例ですが、コンサルティングを始めて半年程度で契約終了となり、その後、久しぶりに相談が寄せられたことがありました。面談して話を聞くと、「金融機関から強く迫られ、主要資産は売却をさせられた。今は本業に直接必要な資産だけが残っている。投資ファンドに債権が譲渡された。これからどうすれば良いのか不安で相談した」というものでした。

調べてみると、めぼしい資産は売却させられ、挙句の果てには抵当権を設定していなかった先祖伝来の不動産も追加担保に取られていました。債権者のやりたい放題で、債務者の立場への配慮は全くされていないような状況に追い込まれていたのでした。

 

メインバンクとして債務者の再生を支援するどころか、できるだけ回収をして、残った債権を債権譲渡するという露骨な行動でした。「できるだけの回収はした。最後に残った本業の資産は取り上げることはせず債権を譲渡した」という言い分なのでしょう。債権者の強い要求でコンサルティングの中止を求められたのでした。債権者が有利な形で回収を進めるのに、債務者を守ろうとする再生の専門家がいたのでは都合が悪いので、コンサルティング契約の解約を要求していたのです。

このように、弁護士以外の専門家の場合は本人の代理人ではないので、解任を求められかねないという特徴がありますので要注意です。

 

2021年01月15日(金) 金融機関との交渉を弁護士に依頼する場合

弁護士は本人の代理人となるため、前面に出て交渉にあたります。弁護士が交渉主体になるので経営者の意思が表面化しないことになります。金融機関としては手強い弁護士だと思っても解任できないのです。一方、弁護士に恵まれなかった場合には、債務者が期待する成果が得られないことになります。

経営者自身は弁護士の後ろに隠れてしまいますので、金融機関としては「経営者がそこまで真剣に決意を示し、誠意を見せるなら協力してあげよう」というような話の展開にならないのです。

弁護士を前面に出して自分は陰に隠れ、法的権利を振りかざしながら返済猶予や債権放棄を求めてくる債務者に、協力してあげる気になるはずがありません。ましてや、身内に経営権を残すための究極の第二会社方式を容認する等、積極的な協力が期待できるわけがありません。

経営者自身が真摯な態度で臨むからこそ、債務者主導の再生が可能になることを見失ってはなりません。

 

2021年01月06日(水) 第三者を前面に出し過ぎてはならない

事業再生は経営者自身の意思で進めることが重要です。

もちろん、中には迷いを感じながら事業再生に臨むケースもあります。このような場合には、十分に計画の内容を理解し納得することが重要になります。

中途半端な姿勢で事業再生に臨むと、債権者にすれば「誰かに入れ知恵されて計画を策定したのではないか」という疑念を感じてしまうこともあります。そうなると、利害が対立する債権者としては、「経営者本人の意思ではなく、第三者の入れ知恵ならば、経営者を説得して翻意させよう」ということになってしまいます。

債権者として債務者の再生に協力するどころか、債務者の翻意を促すということになってしまうのです。これではスムーズに進むわけがありません。最悪の場合、矛先が支援専門家に向けられてしまいます。「債権者に不利な(=債務者に有利な)入れ知恵をするような支援専門家や会計事務所には介入してもらいたくない」ということになりかねません。このような間違いを避けるため、事業再生は経営者自身の意思で進めることが重要なのです。