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2021年10月21日(木) 結局は経営者次第である

偶然、情報を得て当社を訪問した経営者が再生できる一方で、不幸にもそのような機会に恵まれなかった経営者は再生できない・・・。こんな不公平はいささか疑問でもあります。しかし、それも一つの「運」かもしれません。ビジネスの世界では時として運が大きく左右することがあるのです。

 

「運」に恵まれ、ノウハウを手にしたのなら躊躇せずに事業再生を目指すべきだと思います。ただし、迷いがあるならば強行すべきではありません。強行したところで挫折する危険があるからです。

「再生させたいという強い意思」「真面目な態度」「積極的な姿勢」が揃ってこそ、成功が待っているのだと思います。

 

事業再生にあたっては、他人に寄りかかるという「他力本願」ではなく、自らを頼りとする「自力本願」による事業再生が必要です。それを可能にするのは、経営者自身の財産である「知識や知恵」、「情熱や勇気」にほかならないのです。

 

2021年10月12日(火) 事業再生は千差万別である

これまで四半世紀にわたり事業再生を専門に扱ってきました。不動産鑑定士、税理士として、その特権を最大限に活用し、債務者の立場に立って努力してきました。巷にあふれるコンサルタントのように、「当社は専門家と提携して・・・」ではありません。自分自身が有資格者であり、専門家なのです。

独立前は損害保険会社の本社回収部門の回収責任者を務めていました。したがって、債権者の行動は手に取るように分かります。全国の不良債権のみを対象にした回収を専門に行っていました。支店の貸付担当者が行う回収レベルではなく、こじれにこじれた困難な案件ばかりでしたので、大概のケースを経験済です。

 

単なる実務家としてではなく、経済学者、経営学者としての理論的研究も継続してきました。理論と実務の融合を目指し、不動産鑑定士としての不動産鑑定にしても、税理士としての営業権評価にしても最新の方法を導入してきました。

私の亡き父は事業に失敗して自己破産しています。自己破産者の子供として、借金して大学を卒業しました。だからこそ、債権者としての回収ノウハウだけではなく、債務者の気持ちも分かるつもりでいます。

事業再生は生々しい世界です。奇麗ごとや、精神論だけでは通用しないのです。

方向性は見えても、その過程では、臨機応変な対応が求められるのです。無資格者には荷が重いはずです。回収経験がなければ荷が重いはずです。破綻した債務者の心を知らなければ債務者の立場に立った事業再生は荷が重いはずです。

 

「専門的な資格がない、回収経験がない、理論的背景がない、債務者の事情を知らない・・・」何も無いのに事業再生ができるはずがありません。中には「自らの再生実績」を看板に掲げて事業再生を行っている輩もいますが、まったく話になりません。なぜならば事業再生は千差万別であり、一例をもって他の例に当てはめることはできないからです。

 

2021年10月07日(木) 私的整理による事業再生

当然のことながら、事業再生が完了するまでに必要となる時間は個々のケースによって異なります。順調かつ簡単なケースでは数か月で終わる場合もありますし、紆余曲折を経て数年かかるケースもあります。中には、一度中断した後、復活して決着する例もあります。

 

債権者という「相手」があることですから債務者側では決められません。民事再生のようにスケジュール化できるわけではなく、再生の事実を公表することなく債権者との交渉で進めるため、時間がかかる場合があることも覚悟した上で事業再生に取り組まなければなりません。

急いで進めたい、スケジュール化したいなどの場合は、風評被害を覚悟したうえで法的整理を選択すべきです。

途中で挫折するくらいならば、最初から取り組むべきではありません。取り組んだならば、最後まで頑張ることで私的整理による事業再生が実現するのです。私的整理というのは、それだけ繊細なのです。

法的整理に着手してから私的整理に移行することはできません。法的整理は最後の手段なのです。まずは私的整理を行って事業再生を目指すべきです。どうしても合意に至らない場合に、最後の手段として法的整理を選ぶべきなのです。

 

2021年09月30日(木) 積極的な姿勢に欠ける例

多くの場合、筆者の元に相談を寄せる経営者は積極的な経営者です。勉強家でもあります。

アンダーラインを引き、付箋紙を貼り、ポイントを押さえた質問をしてくる経営者が多いのです。それだけ、皆、積極的だとわかります。

本を読み、実際に相談してくるのだから、それだけで積極的なのはわかります。本を一読することで一通りの知識を得ており、効率的に事業再生が進められる場合が大半です。

 

しかし、中には、なんとなく相談してくる経営者もいます。

話を聞くと、ただ漠然と「困った」「どうしよう」という悩みを抱えているだけのことがあるのです。まさに「積極的な姿勢」に欠けているのです。このような場合は、大概「再生させたいという強い意思」にも欠けていることが多いといえます。

私の知る限り、こういう経営者は必ず途中で挫折します。事業再生を始めても、債権者との交渉の途中で力尽き第三者への譲渡に合意してしまうのです。

こういう経営者には「迷いがあるなら事業再生は困難だ」ということを知らせてあげることも大切だと思っています。

 

2021年09月23日(木) 真面目な態度に欠ける例

粉飾決算をいつまでも続けたり、逆粉飾決算で利益を誤魔化したりするような経営者が、債権者の信頼を得られるわけがありません。

真面目な態度に欠けるとは、誤魔化そうとする債務者のことだけではありません。

返済が苦しいまま、ろくに努力もせずに、さっさと別会社を作って事業を譲渡するような債務者も真面目な態度に欠けるというべきでしょう。このような経営者が、債権者の協力を得られるはずがありません。まずは経営努力を行うべきです。経営努力により返済能力を高めた上で、返済能力を超える部分について債権者の協力を求めるべきなのです。

 

これまでに、債権者の逆鱗に触れた債務者の例を何例も見てきました。

だからこそ、筆者は無理な事業譲渡計画には反対なのです。無理に事業譲渡をしても、債権者からの攻撃を受けてしまったのでは何にもならないからです。無理な事業譲渡に対して債権者が反撃を行う場合、反撃の程度は凄まじいものになります。いわば本気の戦いとなります。債務者は防戦一方となり、多くの場合、敗戦となってしまいます。

債務者は債権者の協力を得つつ、真面目に、正直に、正面から取り組む姿勢が絶対に必要なのです。

 

2021年09月18日(土) 再生させたいという強い意思に欠ける例

再生させたいという意思は、それなりに全ての経営者が持っています。

「もう、やめたい」というのであれば、論外です。さっさと、事業をたたんでしまえばいいだけの話です。廃業も立派な選択肢です。

経営者が迷っているようでは、事業再生は途中で挫折していまします。なぜならば、債権者は別の経営者に経営を譲渡させることで回収の極大化を図るからです。回収の極大化が実現できるのであれば、経営者が誰であろうと債権者には関係ないのです。

必要になるのは「なんとしても再生させたいという『強い』意思」なのです。

強い意思があれば、その経営者に経営を任せたほうが返済能力も多くを期待できるでしょうが、経営者が迷っているようでは、他の経営者に経営を任せたほうが得策だともいえるでしょう。

したがって、事業を再生させたいという「強い」意思がないならば、事業再生はあきらめた方が良いでしょう。M&Aで経営権を譲渡するか、会社を清算するほうが無難かもしれません。

 

2021年09月11日(日) 事業再生に成功する経営者

事業再生に成功する経営者には少なくとも3つの共通点があると思います。それは、「再生させたいという強い意思」「真面目な態度」「積極的な姿勢」の3つです。裏を返せば、これらの点に欠ける経営者は、事業再生を成功させるのは困難といえるかもしれません。

 

「再生させたいという強い意思」とは、「できれば再生したい」とか、「どうにかならないか」といった曖昧な意思ではなく、「どうにかして再生させたい」という堅固な意思です。迷いのない強い意思と言うこともできるでしょう。

「真面目な態度」とは、返済能力の中で返済するという誠意であり、正直な態度です。誤魔化さず、正面から取り組む意気込みでもあります。

「積極的な姿勢」とは、さまざまな知識を集め、再生に向けて邁進する気概です。広く勉強家であることが求められます。

 

2021年09月04日(土) 取締役会の失敗を回避する

問題役員を放置していたのでは会社の健全な発展はありません。良識役員が中心となり、取締役会を正しい方向に導くことで、取締役会の失敗から経営破綻に陥ることを回避しなければなりません。

良識役員が無気力に陥り経営破綻に向かうよりは、良識役員と問題役員が対立することで正常化に至るほうが良いという一面もありますが、良識役員と問題役員の対立を煽るのは得策ではありません。できれば穏便に解決したいものです。取締役会や株主総会決議の欠缺(会社法831条他)の問題等、裁判沙汰に発展しかねないからです。

 

とりわけ「保守的に過ぎる」、「自己主張が過ぎる」、「感情論に走る」といった問題役員に共通しているのは「主観で動く」という点です。この「主観で動く」という特徴に鑑み、問題役員に引退の花道を与えることも有効な対策となります。自尊心という主観に訴えるというわけです。

しかし、残念ながら問題役員は役員としての経験年数が長く、必然的に高齢化していることが多くみられます。良識役員の努力によって、問題役員が自己の問題行動を自覚し改善してくれれば良いのですが、高齢化による硬直的な思考方法等により改善が難しいことも少なくありません。このような問題役員については、たとえ本稿でまとめたような問題の指摘や解決策の提示をしても、それが自分に向けられていると気が付かないことさえあります。自分が問題役員であることが理解できていないのです。

このような場合には、中立的な立場の勢力を確保することが一層効果的になります。たとえば社外取締役の任命や外部専門家の活用により中立的な経営補助者を強化し、良識役員の勢力を補強することも有効な手段になるのです。中立的な勢力の力によって、問題役員の頭を冷やし冷静にさせるというわけです。

 

2021年08月27日(金) 学問のすすめ

平成26年4月より株式会社ミロク情報サービスの客員研究員を拝命しています。
毎月一回の研究会に参加するだけではなく、毎月一回の経営研究レポートを発表しており、ミロク情報サービスのホームページで紹介されています。

第74回の経営研究レポートが公開されました。

今回のテーマは「学問のすすめ」で、その要旨は次の通りです。

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要旨:

筆者は不動産鑑定士であり税理士です。会計人の皆様と同じく職業的専門家です。子供の頃からの目標であった博士の学位を得たのは、国家資格を得た後、それまで勤めていた金融機関を退職して独立し、仕事が安定するようになってからです。単に実務だけではなく、学問に裏付けられた理論も重視することが大切だと考えたからに他なりません。本稿では学問の重要性を明らかにした上で、学位の取得のために参考となる情報を開示します。実務と理論の融合を図ることで会計人としての業務の質を、より一層高めることができるのではないかと考えています。今回は「学問のすすめ」を見直すこととし、次回以降で交渉学、経済学の視点から事業再生を考えます。

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記事を読むにはミロク情報サービスの会員になる必要があります。
会員は(1)会計事務所向けと(2)企業経営者向けに分かれています。

 

(1)会計事務所の先生の場合は「tvs会員」になる必要があります。
下のアドレスから著者名を指定して検索できます。
http://tvs.mjs.co.jp/working/management/research-rep/not_cached.html

 

(2)企業の経営者の場合は「GOODWILL PLUS会員」になる必要があります。
下のアドレスから著者名を指定して検索できます。
http://goodwill.mjs.co.jp/working/management/research-rep/not_cached.html

 

多くの有益な情報を入手できますので、入会することをお勧めします。
私自身、他の研究員の研究レポートを拝読し、参考にさせていただいております。

 

入会にあたってはお近くの(株)ミロク情報サービスの営業拠点にご連絡ください。営業拠点は下のアドレスから検索できます。
http://www.mjs.co.jp/office/tabid/479/index.php#no2

 

2021年08月19日(木) 解決策②

(2)良識派が活躍する

対立軸が明らかになった後は、問題役員を抑える形で良識役員が活躍するべき環境を構築することが必要になります。

 

①良識役員の勢力を強める

たとえば株主の協力を得て取締役会における良識役員を多数派となるように工作することが考えられます。株主総会で問題役員を選出しない、あるいは良識役員を多く選出することで正しい取締役会決議を指向することが期待されます。代表取締役の選出に関しても良識役員から代表取締役を選任することで取締役会を正しく運営することが期待されます。

 

②問題役員の勢力を弱める

複数で行動する問題役員同士の協力関係を分断することも有効です。問題役員の一部を良識役員に変えることができれば良し、そうでなくとも、問題役員としての問題行動を自覚せしめ、問題役員に追従することなく中立を保つだけでも問題役員の勢力の弱体化に有効となります。 そもそも、問題役員は単独で行動できないからです。

経営姿勢を明示して是非を明確にすることで問題役員の一部でも中立の立場となれば、集団で行動するという問題役員の協力関係を分断して勢力を弱めることができるのです。

 

2021年08月15日(日) 解決策①

正しい経営判断をし、正常な取締役会を運営するためには良識役員が無気力になってはなりません。良識役員の抑止力を高めることで、問題役員の複数行動を阻止することが求められます。

 

(1)経営姿勢を明確にする

経営姿勢を明確にすることで良識役員の意思を統一するとともに、問題役員に対して自らの行動が間違っていること、良識役員に対して自らが正しいことを自覚させることは有効な解決策となります。そのために、会社が目指すべき経営理念を確立し、これを実現するために基本となる行動指針たる経営方針を明示し、経営者として行うべき具体策を明らかにすることが求められます。経営姿勢が正しく示されることで、それに対する行動は問題行動として浮き彫りにすることができるからです。

 

あえて問題役員と良識役員の対立軸を経営姿勢という形で明確にすることで、是を是とし非を非とする経営風土を確立するというわけです。

 

2021年08月10日(火) 問題役員により正常な運営が阻害される取締役会の特徴②

問題役員が取締役会における主流派になると取締役会での正常な意思決定ができなくなり、経営不振に陥ってしまいます。まして、問題役員が代表取締役になれば経営破綻に向かうことになってしまいます。

このような致命的な事態に至る前に、問題役員の行動に異議を唱え、問題役員の問題行動を抑止しようとする勢力(以下、良識役員と表します)が台頭すれば改善が期待できます。残念ながら、問題役員により正常な運営が阻害される取締役会の場合には、良識役員が問題役員に圧倒され、良識役員による問題役員への抑止力が十分でないという特徴がみられます。

事態を改善するため、良識役員の台頭により問題役員を抑止しようとするならば、問題役員と良識役員の権力闘争になりかねません。望ましい形ではありませんが、放置することで経営破綻を招くよりは、破綻を回避する可能性がある以上、権力闘争は是認されて然るべきです。

良識役員の力により問題役員を抑止すべきであるというところに問題解決のカギが認められるといえるでしょう。

 

2021年08月03日(火) 問題役員により正常な運営が阻害される取締役会の特徴①

問題役員により正常な取締役会の運営が阻害される取締役会には2つの特徴を指摘することができます。特徴を踏まえたうえで、阻害要因たる問題役員の行動を排除する対策を考えることが求められます。

 

①問題役員が複数で行動する

多くの場合、問題役員は役員としての経験年数が長いことが多く、取締役内部での影響力が高まっている傾向があります。このような問題役員は、単独ではなく複数で問題行動を起こすという特徴がみられます。

問題役員Aが行動すると問題役員Bも続くというわけです。反対にBが先行し、Aが後行することもあります。AとB(あるいはそれ以上のC,D・・・)はお互いにもたれ合いながら正常な取締役会の運営を阻害するというわけです。

そもそも問題役員は、正論を唱えるわけではなく、「保守的に過ぎ」「自己主張に過ぎ」「感情論に走る」だけですので、本質的な力を持つものでは無く、徒党を組むことで存在感を示さなければ力を誇示できないのです。「問題役員は複数でないと行動できない」というところに問題解決のカギが認められるといえるでしょう。