粉飾決算対策

2016年10月5日 水曜日

金融機関で不良債権の回収責任者の職にあった頃、回収先の粉飾決算を多く見てきました。正確にカウントしたわけではありませんが、不良債権となった回収対象先の8割以上は何らかの粉飾を行っていたように記憶しています。回収対象先に分類された債務者ですから、一般企業に比べて粉飾決算を行っている比率は高いといえるでしょう。

事業再生業務を行っていると多くの粉飾事例に遭遇しますが、過去の粉飾決算の証として貸借対照表上に実態のない資産が計上されているような例が多く見られます。さらには、利益を出すために損益計算書上の粉飾を行っている例も少なくありません。

これらを放置していたのでは債務者主導の事業再生を実現することはできません。

 

当社では粉飾決算に関与している企業の事業再生は行っておりません。 現在あるいは過去において粉飾決算をした企業については、粉飾決算の事実を公表し、債権者の信頼を獲得することを条件に事業再生の支援をしています。

 

企業の粉飾決算

損益計算書の経常損益などを意図的に操作して企業の経営成績を隠蔽し実態より良く見せることが典型的な粉飾決算です。貸借対照表の資産を過大計上したり、負債を簿外計上するなどして、企業の財政状態を実態より良く見せる場合もあります。反対に、脱税等の目的で、会社の決算を実態より悪いかのように偽装して決算書を作成することは「逆粉飾決算」と呼ばれ、これも粉飾決算に含まれます。

 

1. 粉飾の目的

粉飾を行う目的は次のように大別されます。

 

(1)対銀行関係
利益の過大計上により信用を高く見せる。

 

(2)対従業員関係
利益の過少計上により分配(=給与)を抑える。

 

(3)対株主関係
利益の過少あるいは過大計上により高配当を回避する。

 

(4)対税務関係
利益の過少計上により納税を回避する。

 

2. 粉飾の方法
古典的かつ典型的な粉飾の方法の例は次の通りです。

 

(1)収益、資産の過大計上の例
・売上高を架空計上し売掛金を過大計上する。
・売上高を繰上計上し売掛金を計上する。
・資産の評価を引上げ評価益を計上する。
・棚卸資産、有価証券を水増し計上する。

 

(2)収益の過大計上、負債の過少計上の例
・借受金とすべきものを売上に計上する
・前受金を繰り上げ売上に計上する。
・引当金を取り崩し収益を過大計上する。
・仮受金、預り金を売上に計上する。
・借入金を売上に計上し簿外債務とする。

 

(3)費用の過少計上、資産の過大計上の例
・固定資産の減価償却費を減らし固定資産を過大に表示する。
・期末棚卸資産を過大に評価計上し結果的に売上原価を減らす。
・修繕費として計上すべきものを建設仮勘定や固定資産に計上する。
・利息や支払保険料等を前払い費用として繰り延べる。
・貸倒が発生しているにもかかわらず貸倒損を計上せず売上債権が過大計上となる。
・不良在庫があるにもかかわらず廃棄損を計上せず棚卸資産が過大計上となる。
・仮払金、立替金を不正計上する。


(4)費用、負債の過少計上の例

・費用を見積もって計上せず修繕引当金や負債を過少計上する。
・確定未払費用を不計上とする。
・買掛金による仕入を過少計上する。
・費用計上基準を発生主義から現金主義に変更する。
・借入金を過少計上する。

 

粉飾の兆候とチェックポイントの例

粉飾を行う場合、それを示唆する兆候が表れます。

一例として、次表のような兆候と、そのチェック方法が考えられます。詳しくは省略しますが、金融機関は細かくチェックしているため、多くの場合、粉飾決算は見破られているのです。

 

  微 候 チェック方法
損益状況 i)売上が減少している。売上高が3期以上横這いである ・P/L、B/S同業他社比較
ii)利益率が低下している
iii)金利負担比率が極めて高い ・売上高利子負担比率
iv)損益分岐点が著しく高い ・P/L、B/S同業他社比較
v)次のような粉飾決算の兆候がみられる
・販売実績の増減がはなはだしく総利益率の変動が激しい
・電力料、水道料などが殆ど変化していないのに生産が異常に高くなっている
・販売員が減少しているのに売上高が増加している。
・P/L、B/S同業他社比較
財務状況 i)売掛金の回収が悪化している。受手のサイトが長期化している ・売上債権回転率
・代金回収率
ii)棚卸資産が異常に増えている ・棚卸資産回転率
iii)高利の借入(闇金融)が増大している ・P/L、B/S
iv)経営収支比率が低下している ・P/L、B/S
v)次のような粉飾決算の兆候が見られる
・売上債権、棚卸資産、固定資産に異常な増減が見受けられる
・買掛債務、借入金に異常な増減がある
・事業の性格上、当然考えられない前受金、仮受金が多額にある
・P/L、B/S
vi)遊休資産、不稼働資産が多い ・設備効率、B/S
vii)投機的投資が多い ・B/S

 

粉飾決算を公表する方法

粉飾決算を公表しなければならない場合は二つに大別されます。

一つは経営が行き詰まった挙句、金融機関の協力を得るために粉飾決算の事実を公表する場合です。たとえばリスケや債権放棄を求める例があり、これは会社を継続する場合といえます。

もう一つは別会社での事業再生を成功させた後、残った会社を清算する場合です。たとえば多額の債務超過を抱えた旧会社を処理する例があり、これは会社を清算する場合といえます。


1. 会社を継続する場合

P/Lの粉飾とは現在の粉飾であり、直ちに中止する必要があります。粉飾を継続しているようでは金融機関の信頼は得られません。一方、B/Sの粉飾はできる限り中止するべきです。「できる限り」とは、後述するように「できない場合」も生じるからです。
緻密に計画された複雑な粉飾であればともかく、中小・零細企業の粉飾決算は金融機関に気づかれている場合が大半です。粉飾の事実を開示することで「よくぞ話してくれた」と信頼を取り戻す可能性すらあるのです(i)。

 

(1)P/Lの粉飾
融資を引き出すための粉飾は詐害行為になりかねない行為であるといえます。架空売り上げは架空の売掛金に直結し、実態のない資産が増えることになります。単にP/Lの粉飾に留まらずB/Sの粉飾へと発展することになります。このように、P/Lの粉飾は現在の粉飾であり悪質であるといえます。

 

(2)B/Sの粉飾
過去の粉飾の証としてB/Sに計上されている資産を一挙に修正すると債務超過になりかねません。たとえば建設業等、許認可にあたり一定の純資産が要件になっている場合には、債務超過になると事業継続が困難になってしまいます。一般に、売上を粉飾したのであれば剰余金が残っており、これを取り崩すことで債務超過にならないはずですが、それでも債務超過になるならば、いずれかの資産を残すことも検討しなければならないこともあり得ます。この場合、売掛金などの実在資産より擬制資産の方が残しやすいということができます。いずれはゼロになる擬制資産の償却時期をずらすだけであるということもできるからです。

 

 

2. 会社を清算する場合
会社を解散・清算したときの課税方法は財産法と損益法があります。
2010年の税制改正前は財産法が採用されていたため、残余財産がプラスにならなければ清算会社における課税はなされず、たとえば、事業再生が必要になるような会社の場合、多くは債務超過の状態であり剰余金がない以上、課税はされませんでした (ii)。

 

しかし損益法のもとでは、会社を解散・清算したときに債権放棄を受けると、債務免除益が益金となり課税対象になります。このため、実質債務超過である場合には、青色欠損金の控除で足りない場合に、「残余財産がないことが見込まれる」ことを要件として、青色欠損金に加えて期限切れ欠損金(青色欠損金より前に生じた欠損金)を債務免除益と相殺することで課税所得を発生させないようにする必要があります(iii)。過去の繰越欠損を計算に含めることができるという是正措置が取られているものの、多額の債務免除益を消すことができない場合も想定されます。たとえば不良債権化した会社が務超過を表面化させないための粉飾決算を行っている場合です(iv)。
見せかけの利益があると欠損金が表面化しないため、粉飾決算に基づく過大申告について更生後の確定申告を行い、欠損金を表面化させた後で期限切れ欠損金の損金算入の規定を受けることになります。更生の可能性が保障されないために清算手続が放置される例も少なくありません(v)。

 

実在性のない資産が計上されている場合、損金算入ができなくなります。恣意的な処分を認めないためにも当事者から独立した第三者等による調査によって実在性がないことが確認されることが求められます。
第三者が関与する形で進められる手続は費用と時間がかかるため、解散手続を開始するとともに休眠の届け出を行い、活動を停止したまま放置するような方法も利用されています。この場合、最後の登記を行ったときから12年を経過した時点で職権による解散手続がなされることになります(vi)。詳しくは拙著「事業再生に伴い、残った借入金と会社の処理の仕方」(ファーストプレス刊)で詳述しています。

  1. 粉飾決算を開示した結果、金融機関の信頼を確保した例については拙著「改訂版 新・債務免除読本」の253ページで紹介しています。
  2. 2010年9月30日以前の解散については改正前の財産法が適用され、2010年10月1日以後の解散から改正後の損益法となりました。
  3. 「平成23年度税制改正大綱」により欠損金の繰越控除制度について改正されています。欠損金の繰越期間を7年から9年に延長されました。更正の請求期間も1年から9年に延長されています。
  4. たとえば売掛金などの架空資産の計上により、架空利益を捻出することが考えられます。
  5. 更正の対象期間内に生じたものについては税務当局による更正手続を通じて遡って損金処理できますが、対象期間以前あるいは時期が不明の場合には税務上の剰余金(欠損金)の期首繰越金額を直接修正することになります。繰越額を直接修正できるのは損失処理の手続に客観性が担保されている場合に限られ、納税者側が立証しなければなりません。
  6. 最後の登記があった日から12年を経過した株式会社について休眠会社と定義し(会社法472条)、法務大臣が2か月内に法務省令で定めるところにより本店の所在地を管轄する登記所にまだ事業を廃止していない旨の届出(会社法施行規則139条)をするように官報に公告します。休眠会社が、その届出をしないときは、その2か月の期間の満了時に解散したものとみなされ、その場合、登記官の職権によって解散の登記がなされます(商登72条)。

経営者保証の免責対策

2015年2月23日 月曜日

経営者保証に関するガイドライン」が平成25年12月5日に公表され、平成26年2月1日から適用されることになりました。ガイドラインにより、端的には「一定期間の生計費に相当する額」や「華美でない自宅等」について残存資産として手元に残したり、残債務の債務免除を求めることが可能になりました。

不動産鑑定士・税理士でもある認定支援機関として、経営者保証の免責を取り付けるための支援を行います。金融機関との連携の下、事業計画作成、返済計画作成、対象不動産の鑑定等を実施することにより、経営者保証の減免を受けるための支援を行います。 有資格者である支援専門家として、主債務者である企業自体の再生はもちろん、経営者保証だけの減免を受けるための支援も積極的に行います。


1, 経営者保証の減免内容

経営者保証に関するガイドライン」は経営者保証の弊害を解消し、経営者による思い切った事業展開や、早期事業再生等を応援する目的で作成されたもので、次のような取り扱いを行うことになっています。
(1)法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと
(2)多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等(従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円~360万円)を残すことや、「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること
(3)保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること


2, 保証人の説明責任

保証人はガイドラインにより一定の要件に従って「一定期間に相当する額」や「華美でない自宅等」を、当該経営者たる保証人の残存資産として手元に残すことができるようになりましたが、「一定期間の生計費に相当する額」や「華美でない自宅等」について残存資産に含めることを希望する場合には、その必要性について債権者に対して説明することとされています。


3, 支援専門家の役割

債権者は保証債務の履行に当たり、保証人の手元に残すことのできる残存資産の範囲について、必要に応じ支援専門家とも連携しつつガイドラインの内容を総合的に勘案して決定することとされています。

平成25年12月に公表された「経営者保証に関するガイドライン」について、留意すべき点を当社においてマークするとともに、対応するQ&Aの該当番号を付記しました。


経営者保証に関するガイドライン
経営者保証に関するガイドラインQ&A(改定版)
ガイドラインに基づく保証債務の整理手順
ガイドラインに基づく保証債務の整理手順Q&A

 

詳細についてはお気軽にお問い合わせください。

⇒連帯保証の免責を希望する経営者の皆さんからのご相談をお待ちしています。
お気軽にご連絡ください。

税理士業務

2015年2月23日 月曜日

当事務所が実施する税理士業務の特徴


戦略的事業再生コンサルティングに関連した税理士業務を専門に行っております。

決算申告業務は決算日が集中し、期限が限られますが、事業再生業務は債権者との交渉など、債権者に合わせたペースでの活動が求められます。よって、両者を両立させるのは困難ですので、記帳代行や決算申告などの一般の税理士業務は行っていません。決済申告を依頼する会計事務所と共同で、事業再生を実践します。

具体的には、事業再生のために必要になる資産譲渡、事業譲渡、会社分割等を専門に扱っています。現在の経営者による経営権を守ることが大前提ですので、経営権を第三者に譲渡することになるようなM&Aは扱いません。


1. 事業再生に関連する資産譲渡、事業譲渡、会社分割等の計画立案、計画作成、営業権評価等を戦略的に実践します。
2. 事業再生に関わる再生計画の策定だけではなく、クライアントの顧問税理士として金融機関との交渉もサポートします。
3. 一般の税理士事務所が行うような記帳代行、決算申告業務は行っていません。
4. 業務に関する報酬は月払いとし、費用の明確化を図っています。難易度の高低、効果の大小、負債総額の大小、担保不動産の件数、所在地の遠近等に応じて、個別に約定させていただきます。成功報酬等のご負担は一切不要です。
5. 着手金、成功報酬は不要です。月々の報酬は最低3万円からとし、予備調査の結果を受けて、個別に約定させていただきます。


事業再生をスムーズに実現するために、次の各点に力を入れています。


1. 事業計画の正当性を保証します

事業計画の策定にあたり、過去と現在の数値が正しくないと、将来の数値も誤ったものになります。この場合、税引き後の分配可能利益が返済原資となりますので、会計、税務の専門家として、収益、費用、利益を正しく把握し、税引き後の分配可能利益を正しく把握します。これにより、事業計画の正当性を保証します。


私的整理の弊害を解消するため、公平性・客観性を確保することが求められます。たとえば、「中小企業の会計に関する指針」は、遵守されるべき最低限度の基準として有意義であり、「中小企業再生支援協議会の業務マニュアル」については、事業価値評価の拠り所としての意義が大きいものがあります。税理士連合会の「会計参与の行動指針」は各期の財務調査報告にあたっての拠り所として機能します。


換言すれば、過去から現在に至る財務諸表の正確性については「会計参与の行動指針」が斟酌されるべきであり、現在から将来にわたる事業計画の確実な評価に あたっては、「企業価値評価ガイドライン」、「再生支援協議会業務の業務マニュアル」のような基準が求められるところとなります。どのような基準で評価したのかを明らかにすることで、評価を行う者の責任の範囲を規定することができるのです。


法的安定性を重視する法的整理と異なり、私的整理においては当事者の合意により自由な再生計画を策定することができますが、私的整理の課題とされる公平性、客観性を担保するために、会計・税務の専門家として、法的に認められた税理士だからこそ、事業計画の正当性を保証できるのです。


2. 事業評価・企業評価を適正に実施します

事業譲渡、会社分割、会社譲渡等において、事業の評価、企業の評価が必要になります。


評価方法としては、事業の評価と資産の評価を厳然と区別しなければなりません。事業を中止して清算する場合の評価は、資産を換金する場合の評価であり、売却価格であり、一方、事業を継続する場合の評価は、事業を継続することにより得られる分配可能利益の把握であり、やはりキャッシュの増減として把握しなければなりません。


したがって、事業の評価にあっては、DCF法による評価が望ましいのです。

一方、資産の評価にあたっては、事業評価との差を明確にしたうえで、清算価値による資産の評価を行うことになります。


詳しくは、「経営支援業務」を参照してください。


3. 経営陣に参画することで経営強化を図ります

会計・税務の専門家として、会社の経営陣に参画することで経営の強化を図ります。


詳しくは、「経営支援業務」を参照してください。


4. 会計事務所等の専門家と協調して事業再生を支援します

従来からの顧問税理士・会計士・コンサルタント等の専門家がいる場合には、これらの専門家の皆様と協調する形で事業再生を支援します。


金融機関との信頼関係を大切にするためには、従来の経緯を踏まえた上で、事業再生を展開することが重要です。ある日突然に、突拍子も無い要求をしても、金融機関の同意を得ることはできません。かかる観点から、今までの経緯をよく把握している従来からの税理士・会計士等の先生方と協調することで、事業再生計画の策定、金融機関との交渉を進めます。先生方と役割分担をする形で事業再生を支援します。


顧問の先生方がいらっしゃる場合には、事業再生が成功した時点で、当社の役割は終わりますので、従来からの先生方にバトンタッチし、さらなる事業の発展をお任せすることになります。


5.認定経営革新等支援機関としての事業再生を支援します

「不動産鑑定士・税理士 髙橋隆明事務所」は、中小企業経営力強化支援法に基づく認定経営革新等支援機関として経済産業省に登録されています。


中小企業経営力強化支援法は、中小企業の経営課題が多様化・複雑化する状況において、財務及び会計等の専門的知識を有する者(金融機関、税理士・ 税理士法人等)による支援事業を通じ、課題解決の鍵を握る事業計画の策定等を行い、中小企業の経営力を強化する目的で制定されました。中小企業の支援事業を行う者の認定を通じ、中小企業に対して専門性の高い支援事業の実現を目指すものです。専門家の派遣等による協力や信用保証の付与による資金調達支援を通じた支援をするもので、中小企業は質の高い事業計画を策定することが可能となり、経営力の強化が図られることになります。


中小企業の経営力の強化を図るため、金融機関、税理士・税理士法人等の中小企業の支援事業を行う者を認定することになっており、この認定を受けたものが「認定経営革新等支援機関」です。この経営革新等支援機関を認定するという制度こそ、この法律の肝であると言っても過言ではありません。この経営革新等支援機関を通じ、中小企業に対して専門性の高い支援事業を提供することになるのです。


補助制度や支援制度の中には、認定支援機関が関与することが条件になっているものもあります。事業再生にあたって有益な制度も用意されていますので、必要に応じて利用することが期待されます。


中小企業経営力強化支援法に基づく支援のうち、認定経営革新等支援機関の関与が必須となっている支援策を利用します。特に、事業再生に効果的な次の支援策に重点的に取り組むことで、債権者と債務者の双方にとって有利な事業再生を目指します。


【債務者・金融機関・再生支援協議会との関係】


債務者・金融機関・再生支援協議会との関係


◇債務者に対する具体策
(1)最初に債務者の業況を把握します。債務者の顧問会計事務所がある場合には、必要に応じ、顧問会計事務所と協同で事業再生計画を作成します。不良債権処理をしなければならないという金融機関の事情を念頭に置き、担保の有無、融資機関の長短等々の違いに応じた返済計画を慎重に作成します。


◇金融機関に対する具体策
(2)債務者の業況に関する情報を正しく開示し、返済能力を正確に示すことで誤解による破綻を回避するとともに、金融機関と債務者の間における情報の非対称性の解消を目指します。公平性・透明性・確実性の高い返済計画を繰り返し丁寧に説明することで金融機関の理解を求めます。金融機関との協調による事業再生を成功させるため、不正行為を厳に慎み、経営者のインセンティブを重視しつつ、金融機関の論理に配慮したプラスサムによる事業再生計画を策定・実践します。
(3)金融機関の疑問・不信感を解消するため、職業的専門家として正しい情報を提示します。さらに計画実施をフォローアップします。


◇再生支援協議会に対する具体策
(4)債務者・金融機関の相互理解のもと、合意可能な事業再生計画を策定し、必要に応じて再生支援協議会を利用します。認定経営革新等支援機関として補助金の活用も念頭に置きながら、きめ細かい調整を行います。再生支援協議会を利用する必要がない場合には利用しません。

不動産鑑定士業務

2015年2月23日 月曜日

当事務所が実施する不動産鑑定評価の特徴


(1)当事務所が提携している多くの不動産鑑定士の中から、クライアントの希望(鑑定評価額、鑑定報酬、完成時期)に最適の不動産鑑定士を選任し、不動産の鑑定評価を実施します。


(2)提携先の不動産鑑定士が作成する不動産鑑定評価書に、当事務所が作成した不動産鑑定評価書あるいは意見書(*1)を添付すれば「複数の不動産鑑定士による評価」として客観性を高めることが可能になります。


(3)提携先の不動産鑑定士を通して日本全国(*2)の鑑定評価を実施します。


(4)不動産鑑定士としてのみならず、税理士としての専門的見地からも税務対策を念頭に置いた不動産鑑定評価を実施します。税務調査に備えて価格を客観的にします(*3)


*1 当事務所で不動産鑑定評価書あるいは意見書を追加作成する場合は、案件の難易度に応じた費用を別途申し受けます。

不動産鑑定評価書の例はこちら
鑑定意見書(正常価格・更地)の例はこちら
鑑定意見書(正常価格・ホテル)の例はこちら
鑑定意見書(正常価格・貸家)の例はこちら
鑑定意見書(競売価格)の例はこちら


*2 全国の不動産鑑定評価を行います。ただし、遠方の場合には交通費と日当等の諸経費が発生することがあります。


*3 事業再生、事業譲渡、会社分割、相続等々、利害関係者間での資産移転時に価格の客観性を明らかにします。


※詳しくは専用のパンフレットをご覧ください。

1. 鑑定評価額は一つだけとは限らない

不動産鑑定評価を実施する場合、その目的いかんによっては、高い評価額(あるいは安い評価額)を期待することがあります。不動産鑑定士が異なれば 鑑定評価額も上下します。最適の不動産鑑定士を選任することで、目的、希望にあった不動産鑑定評価を実現することができるのです。(但し、いかなる場合も 不当鑑定は行いません)


鑑定評価とは

正常な不動産取引市場を想定し、正常価格を評価します。各不動産鑑定士が想定しますので、この想定の基準が異なれば求められる鑑定評価額も異なることになります。


鑑定評価手法によって価格は上下する

価格には積算価格、比準価格、収益価格があり、価格を形成する様々な要因のどこにウエイトを置くかによって金額に差が生じます。
積算価格は、かかったコストに着目した価格で、単価を低く見積もれば価格は低くなります。反対に、単価を高く見積もれば価格は高くなります。(以下同じです)
比準価格は、いくらで取引されるかに着目した価格で、他の不動産より劣る部分を重視すれば価格は低くなります。
収益価格は、将来生み出される収益に着目した価格で、収益を低く、費用を高く見積もれば価格は低くなります。また、還元利回りを高く設定すれば価格は低くなります。


不動産鑑定士によって価格は上下する

比準価格より収益価格が低くなることは少なくありません。この場合に、収益価格を比準価格より重視すれば価格は低くなります。
不動産鑑定士が異なれば評価額も異なります。2割から3割、あるいはそれ以上の差が生じることも珍しくありません。


不動産鑑定の種類と費用

【本鑑定】不動産鑑定評価基準に従って作成する正式の不動産鑑定評価書です。難易度により異なりますが、20万円~30万円で実施できるならば安い方でしょう。


【簡易鑑定】内容を簡素化した簡易の評価です。現地調査をするのが基本ですが机上査定の場合もあります。5~10万円なら安い方で、それ以上になるのが一般的です。


【評価意見書】 記載内容を省略し、評価書の形ではなく意見書としたものです。3~5万円以上かかるのが一般的です。



2. 鑑定評価報酬、評価書完成時期も異なる

報酬額は異なる

統一基準はありませんので不動産鑑定士によって報酬額は異なります。
難易度によって異なるのが一般的です。対象不動産の評価額に応じて報酬額が上下する業者もみられますが、評価額が高額だからといって、報酬額が高くなるのは不合理です。あくまで案件の難易度に応じて決めるのが合理的です。
件数がまとまれば報酬額を低くすることができます。複数の不動産が近くにまとまっていれば実査を効率的に行えるので報酬も低くできます。


評価書の完成時期も異なる

鑑定評価業務が集中していると納期は遅れます。A鑑定士が多くの案件を抱えていても、B鑑定士は余裕があるといった場合もあり、この場合にはB鑑定士に依頼する方が早く仕上がります。


目的にあったものを選ぶ

選定のポイントは鑑定評価額、鑑定評価報酬、完成時期の3つです。複数の鑑定士を比較して希望に近い不動産鑑定評価書を作成します。


不当鑑定はできない

不動産鑑定評価は不動産の鑑定評価に関する法律に基づいて行われます。専門職業家としての良心に従って公平に行うものであり、いかなる場合も不当鑑定はできません。
不動産鑑定評価基準に従いつつ、許容された範囲で上限額あるいは下限額を見極めます。


日本全国どこでも出張鑑定します

最寄りの不動産鑑定士に依頼するだけではなく、全国どこでも出張鑑定を行います。


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ステップ(1):

クライアントと当事務所との間で対象不動産の確認、鑑定評価目的の確認、評価見込額などの打ち合わせを行います。さらに、負担できる費用の上限、鑑定評価書を必要とする期限など、クライアントの希望を把握します。

ステップ(2):

クライアントの希望を念頭に置きながら、当事務所と提携している不動産鑑定士との間で鑑定評価の処理方針について調整を行います。

ステップ(3):

それぞれの不動産鑑定士から、鑑定評価費用、鑑定評価書の納期等について内報を受けます。

ステップ(4):

クライアントと当事務所との間で鑑定評価の目的、クライアントの希望などと照らして最適な不動産鑑定士を選任します。

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ステップ(5):

クライアントと当事務所、さらに選任した不動産鑑定士との間で鑑定評価の基本的事項の確認、処理方針について打ち合わせを行い、鑑定評価を実施します。


■日本全国どこでも鑑定評価を実施します。但し、遠方の場合、交通費・日当などの諸費用が発生することがあります。


■鑑定評価基準に従って正当な鑑定評価を実施します。複数の鑑定士と処理方針の調整にあたっては、鑑定評価に従って理論的に導出される上限値と下限値を参酌するものであり、いかなる場合にも不当鑑定は行いません。


■不動産鑑定費用は経営改善計画策定支援事業の支援対象になりますので、鑑定評価を伴う事業再生を策定する場合は特に有益です。当事務所は中小企業経営力強化支援法に基づく認定経営革新等支援機関として経済産業省に登録済です。


■依頼者プレッシャー(依頼者が行う、一定の鑑定評価額の強要・誘導や妥当性を欠く評価条件の設定の強要)があった場合は、制度に従い、公益社団法人日本不動産鑑定協会連合会に通報するとともに、業務の引受けを謝絶させていただくことがあります。


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