Ⅺ.金融機関との連携

2015年2月23日 月曜日

金融機関の皆様へ

私は平成12年に事業再生コンサルティング会社を設立する前に、損害保険会社の本店融資部で融資実行審査、不良債権回収・償却の責任者を経験しています。そのため、不良債権の処理に関する手続きのみならず、不良債権に対する金融機関の組織としての論理を十分に理解しているつもりです。


かかる経験を背景に、債権者と債務者の協調を前提とした事業再生を日本全国で成功させています。


最近の傾向として、無責任で、いい加減な自称コンサルタントが増えてきています。債務者が困窮しているという弱みにつけ込み、いわば「藁をもすがる思いの債務者」をそそのかして、滅茶苦茶なアドバイスをしている業者が少なくありません。
「返済をとめて競売にさせれば良い」だとか、「債権譲渡をさせてサービサーと話し合えば良い」などと、支離滅裂なアドバイスも散見されます。中には、再生できる案件であるにもかかわらず、自己破産を勧める弁護士もいるので困ったものです。


現に、いい加減な業者のアドバイスを真に受けてしまい、話がこじれてから当社に相談にみえる債務者が増えてきています。


当社では、このような案件にも丁寧に対応し、債権者との対立ではなく、債権者との協調による事業再生を目指しています。
債務者と同行する形で金融機関を回り、ボタンの掛け違いをなおし、歯車が回るように進めています。


債務者に対しては、債務者の返済義務を十分に念頭におき、金融機関に納得してもらえるような返済計画を策定することを啓蒙しつつ、一方では、債務者自身が 経営を継続することによるインセンティブを確保し、返済額の最大化を目指します。認定支援機関として、再生支援協議会を利用した事業再生も、必要に応じて積極的に推進します。


債務者自身が当社の存在に気づく場合も少なくありませんが、金融機関が債務者に対して当社の存在を示唆することで当社への相談を誘導している例も増えています。
当社に相談に見える債務者からは、「○○銀行から千代田キャピタルマネージメントの存在を聞いた」「○○銀行から先生の著書を紹介された」という話を聞くことが増えてきました。 「債権者との協調による事業再生」を本旨とする当社のコンサルティング方針が、金融機関の皆様方に浸透してきた結果であると恐縮しています。


皆さまの大切な融資先の事業再生に少しでも協力したいと願っています。
債務者に対し、当社の存在をご紹介いただければ、「債権者との協調」による事業再生を実践します。
当社の存在を、債務者に示唆していただければ、債務者から当社宛にご連絡が入ると思います。
この場合、あえて金融機関の皆様から当社にご連絡していただかなくても結構です。
債務者からの相談に対して、当社において丁寧に対応しますので、どうぞ安心して、当社の存在を債務者にご紹介ください。
もちろん、金融機関の皆様から、当社にご連絡していただくことも大歓迎です。


事業再生に関わる研究に対し、博士(経済学)と博士(経営学)の二つの博士号を授与されたことは、学問と実務の融合を目指した活動が評価されたものであると重く受け止めており、事業再生の先駆者として今後も債権者と債務者の協調による正統派の事業再生を実践していく所存です。
金融機関との協調による正統派の事業再生を通し、地域企業の事業再生の推進を目指したいと思っておりますので、お力添えを賜りますよう、お願いかたがたご挨拶申し上げます。

 

(株)千代田キャピタルマネージメント
代表取締役社長 高 橋 隆 明
不動産鑑定士・税理士
博士(経済学)・博士(経営学)

Ⅹ.会計事務所との連携

2015年2月23日 月曜日

会計事務所の皆様へ

 

私は平成12年に事業再生コンサルティング会社を設立する前に、損害保険会社の本店融資部で融資実行審査、不良債権回収・償却の責任者を経験しました。そのため、不良債権の処理に関する手続きのみならず、不良債権に対する金融機関の組織としての論理を十分に理解しているつもりです。

かかる経験を背景に、債権者と債務者の協調を前提とした事業再生を日本全国で成功させています。

 

最近の傾向として、無責任で、いい加減な自称専門家が増えてきています。債務者が困窮しているという弱みにつけ込み、いわば「藁をもすがる思いの債務者」 をそそのかして、滅茶苦茶なアドバイスをしている業者が少なくありません。いい加減な業者のアドバイスを真に受けてしまい、話がこじれてから当社に相談にみえる債務者が増えてきています。

 

当社では、このような案件にも丁寧に対応し、債権者との対立ではなく債権者との協調による事業再生を目指しています。債務者と同行する形で金融機関を回り、ボタンの掛け違いをなおし、歯車が回るように進めています。

 

債務者に対しては、債務者の返済義務を十分に念頭におき、金融機関に納得してもらえるような返済計画を策定することを啓蒙しつつ、一方では、債務者自身が経営を継続することによるインセンティブを確保し、返済額の最大化を目指します。認定支援機関として、再生支援協議会を利用した事業再生も、必要に応じて積極的に推進します。

 

会計事務所は日頃から関与先に接し経営状況を把握していることから、事業再生計画の作成を行うことは十分に可能であると思われます。しかし、不良債権を適正に処理しなければならないという金融機関の事情までは理解できていないのが一般的であり、それは無理もないところです。支援機関としての認定を受けたとしても、金融機関の論理に配慮した返済計画を策定したり、交渉を行なったりすることは難しいのではないでしょうか。事業再生は単なる経営論や法律論ではないのであって、事業再生計画の作成と返済計画の作成は異なる視点からのアプローチが必要なのです。

この点を補うため、当社では会計事務所をサポートする形で、会計事務所の皆様の関与先の事業再生に特化した支援を行っています。その概要を専用のパンフレットにまとめましたので、お目通し下さいますようお願い申し上げます(ご一報いただければ急送します)。

 

当社がクライアント(会計事務所の関与先)から受け取る報酬額は、算出根拠も含めて明示しており、着手金や成功報酬は不要です。クライアントの事業再生を行うことが目的ですので、会計事務所から報酬を受け取ることは一切ありません。
まずは予備調査から着手します。
予備調査は一律55,000円(税込)でお引き受けしています(当方が出張する場合は交通費と日当を加算させていただきます)。
詳しくは Ⅲ.予備調査 のページをご覧ください。

 

不動産鑑定士として即時売却価格の他、競売を想定した価格の鑑定評価を実施することで、有担保債権者と無担保債権者の間の調整も行っています。不動産鑑定費用は経営改善計画策定支援事業の補助対象にもなりますので、鑑定評価を伴う事業再生の場合は特に有益だと思われます。

 

同じ職業会計人として、全国の会計事務所の皆様のお役に立てるように努力して参りたいと考えております。会計事務所の費用負担は不要ですので、関与先の事業再生や不動産鑑定にあたっては、お気軽にご連絡ください。

 

電話、FAXによるご連絡も大歓迎です。
あるいは、ホームページの「お問合せ」から電子メールでご連絡していただければ、私自身から直接ご連絡を差し上げます。いつでもお気軽にご連絡ください。

 

(株)千代田キャピタルマネージメント
代表取締役社長 高 橋 隆 明
不動産鑑定士・税理士
博士(経済学)・博士(経営学)

 

事業再生の基本方針と具体策

 

【基 本 方 針

◇金融機関との協調による事業再生の促進
債務者には返済義務があることを念頭に置き、金融機関の立場に配慮しつつ、債権者と債務者の協調によるプラスサムの事業再生を目指します。

 

◇私的整理による風評被害の回避
私的整理により返済可能額の極大化を目指す一方で、公平性・透明性・確実性を確保した事業再生を目指します。

 

◇債務者のインセンティブを確保した返済原資の最大化
経営者の経営権を確保することで経営者のインセンティブを確保し、経営努力を最大化することで、より多くの返済原資を確保します。

 

◇不動産鑑定士・税理士としての独占業務の活用
認定支援機関としての支援の他、不動産鑑定の実施、中小会計要領の実施、会計参与への就任等、有資格者にしか許されない独占業務により事業再生を進めます。

 

【具 体 策】

◇金融機関に対する具体策
債務者の業況に関する情報を正しく開示し、返済能力を正確に示すことで誤解による破綻を回避するとともに、債務者との間における情報の非対称性を解消し、公平性・透明性・確実性の高い事業再生を実践します。

 

◇債務者に対する具体策
金融機関との協調による事業再生を目指します。不正行為を厳に慎み、経営者のインセンティブを重視しつつ、プラスサムによる事業再生計画を策定・実践するとともに、実施をフォローアップします。

 

◇再生支援協議会に対する具体策
債務者・金融機関の相互理解のもと、合意可能な計画を策定し、必要に応じて再生支援協議会を利用します。認定経営革新等支援機関として、補助金の活用も念頭に置きながら、きめ細かい調整を行います。

 

◇会計事務所に対する具体策
債務者の顧問会計事務所と連携し、債務者の業況を正しい方向に導きます。当社はセカンドオピニオンを提供するとともに、事業再生に不慣れな会計事務所をサポートする形で債務者の事業再生に特化した支援を行います。

 

会計事務所との協働による事業再生

 

会計事務所は日頃から関与先に接し経営状況を把握していることから、事業再生計画の作成を行うことは十分に可能です。しかし、不良債権を適正に処理しなければならないという金融機関の事情までは理解できていないのが一般的であり、それは無理もないところです。

会計事務所が支援機関としての認定を受けたとしても、金融機関の論理に配慮した返済計画を作成したり、交渉を行なったりすることは困難ではないでしょうか。この点を補うため、当社では会計事務所をサポートする形で、会計事務所の皆様の関与先の事業再生に特化した支援を行っています。

 

(1)会計事務所を側面から支援しています

 

当社がクライアント(会計事務所の関与先)から受け取る報酬額は算出根拠も含めて明示しており、着手金や成功報酬は不要です。クライアントの事業再生が目的ですので、会計事務所から報酬を受け取ることは一切ありません。

たとえば、有担保債権者と無担保債権者では返済額が大きく異なります。不動産鑑定士として説得力のある形で即時売却価格の他、必要に応じて、競売を想定した価格の 評価も行うことで、有担保債権者と無担保債権者の間の調整を進めます。

 

不動産鑑定費用は経営改善計画策定支援事業の補助対象にもなりますので、鑑定評価を伴う事業再生の場合は特に有益です。

事業再編にあたって営業権が発生するとき、営業権償却は返済原資としても重要になります。資産評価は営業権の算出に不可欠ですが、不動産鑑定士の鑑定評価書であれば金融機関のみならず、税務当局に対しても説得力を有するものになります。不動産鑑定士としても会計事務所を側面から支援しています。

 

(2)セミナーを通してノウハウを開示しています

 

さまざまな書籍を出版することで事業再生に関するノウハウを提供していますが、その他にも各種のセミナーを通して啓蒙活動に力を入れています。

 

ⅰ)税理士会のセミナー

各地の税理士会からのご要請を受け、税理士向けの研修を行っています。

所属する税理士会(支部)の研修部にご相談ください。

 

ⅱ)ミロク情報サービスのセミナー

株式会社ミロク情報サービスの客員研究員として毎月一回の研究会に参加するだけではなく、毎月一回の経営研究レポートを発表しており、さらに客員研究員として会員向けのセミナーも行っています。これはミロク情報サービスのホームページで紹介されています。

ミロク情報サービスのホームページの中「セミナー&研究会」のページから検索してください。

 

(3)チェックポイントの例

 

例えば下に掲げるようなポイントの全てに対し、一般の会計事務所や法律事務所が正しい判断をすることは困難ではないでしょうか。事業再生は単なる経営論 や法律論ではないからです。当社は事業再生の先駆者として、会計事務所とクライアントを適切に誘導します。当社と会計事務所との協同により返済計画の作成 や銀行交渉を行いますので、会計事務所の皆様のスキルアップにもつながるのではなかと、僭越ながら自負しております。

 

= 事業再生のポイント(例) =

 

・抵当権付きの資産と、抵当権付きでない資産の保全は、それぞれどのように行うのか。
・抵当権付きの自宅はどのように守るのか。
・社長の保証、親族の保証はどのように解消するのか。保証人の資産はどのように守るのか。
・今までの返済は止めて良いのか、あるいは、返済を継続するのか。
・債権者とどこまで対立し、あるいは、どこまで協調するのか。
・債権者との交渉をどのように支援するのか。
・バンクミーティングはどのような形で進めるのか。
・担保の有無や残高の規模、融資期間の長短が異なる債権者との接し方をどのように差別化するのか。
・金融債権者と一般債権者をどのように差別化するのか。
・粉飾決算を行っている場合に、その事実をどこまで開示するのか、あるいは隠すのか。
・利息の支払い、元本の返済はどこまで行うのか。
・事業計画の中で今後の返済をどのように行うのか。
・社長貸付金(借入金)はどのように扱うのか。
・系列会社貸付金(借入金)はどのように整理するのか。
・事業譲渡と会社分割のどちらを採用するのか。
・負債額をどの程度まで圧縮するのか。
・事業計画を達成するための資金をどのように調達するのか。
・新たな資金調達ができなかった場合にどうするのか。
・債権者との合意を得て事業再生を達成するのには、どれくらいの時間が必要なのか。
・民事再生や自己破産はどのような場合に行うのか。
・民事再生に移行すると、再生計画はどのような変更が必要になるのか。
・再生できない場合はどのような場合なのか。

 

何故、会計事務所が重要なのか

 

私は、事業再生は会計事務所の双肩にかかっていると確信しています。既に、2004年に公開した『債務免除読本』(全日出版)の64頁で、「地元の会計事務所の重要性」を述べています。さらに、2009年の改訂版の261頁では、「全国の会計事務所と協力しながら事業再生を進めるべきことの重要性」を述べています。

中小企業経営力強化支援法が税理士・会計士を中小企業の支援機関として認定する制度を始めましたが、会計事務所を重視すると言う国策は、まさに私の主張と完全に一致しています。

金融機関にしてみても、大切な融資先が、ある日突然、無資格・無責任な偽コンサルタントが出現し、ワケの分からない事業再生計画を持ち出されても困惑するだけです。我々のように、法的に裏付けられた有資格者が関与することで初めて、計画の客観性・正確性・公平性が裏付けられるのです。

 

苦労して国家資格を取得し、法律に基づき専門的能力を認められた我々職業会計人の大切な顧問先が、無資格・無責任の偽コンサルタントにより荒らされ、危機に瀕している現状を見過ごすことはできません。大切な顧問先は、我々、職業会計人が守るべきなのです。

 

「無資格・無責任の偽コンサルタントは退散しろ!」と、強く警告したいと思っています。

 

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以下に、拙著「本物の事業再生はこれだ」(ファーストプレス刊)の該当ページを掲載します。

 

 

◆法律事務所ではなく会計事務所の駆け込むべし!

 

再生計画は法律ではなく会計の世界

 

事業再生を行うときに法律事務所に相談したのでは争いを招くだけです。
病気になって、いきなり外科を訪ねるようなものです。まず最初は総合内科を受診し、専門科に回されるのが普通でしょう。そして、手術が必要と診断されて、はじめて外科的手術を行うはずです。

物には順序があるのです。病名を把握せずに外科的手術をするようでは、救える命も救えなくなってしまいます。

 

そもそも再生計画とは事業の経営成績と財政状態を把握したうえで、将来の計画をつくるのですから法律論ではありません。

破綻した事業を再生させるための、一種の経営計画なのですから法律事務所ではなく、会計事務所に相談すべきなのです。
法律家の出番は(仮に出番があるとしても)、会計事務所などの専門家と相談した再生計画を作成した後、その実現にあたっての法的問題をクリアーする段階です。私的整理で再生するのであれば、その多くの場合に法律事務所の出番はありません。

内科で処方された薬を服用することで治るならば、わざわざ手術をする必要がないというのは、人間の病気と同じなのです。

 

まずは再生計画を作る

 

1年間で返済できる額には限度があります。無い袖は振れないのです。

債権者としては、少しでも多くの回収をしたいわけですから、多額の返済を求めてきます。場合によっては、1年間で返済できる額を超えた要求をしてくることもあります。 このような返済能力を超えた要求には応じることはできません。債権者には返済能力を正確に把握してもらうことが必要です。

 

返済能力を正しく把握してもらうために、顧問税理士の力を借りることも有効です。弁護士ではなく、税理士です。顧問税理士の協力を得て、粉飾決算や簿外資産などがないことを債権者に納得してもらうのです。これにより、返済能力について債権者の正しい理解を得ることが大切です。

どうしても返済総額を多額にするのであれば、年数を延ばすしか方法はありません。

 

債務者の返済能力を正確に把握している場合、どうしても返済総額(債権者にとっては回収総額)を多くするのであれば、返済年数(回収年数)を延ばすしか方法はありません。

この期間を何年にするかを決めるのは債権者です。

債務者は返済義務を負っているのですから、何年であろうが返済しなければなりません。

一方、債権者はいつまでも回収期間をかけることはできません。

 

納得する期間を回収にあて、その余の部分は債権を事実上放棄することになります。債権放棄ではなく、債権譲渡の場合もありますが、いずれにしても債権者が回収期間を決めることになります。このように、最終的には、債権者が債権の一部について回収を諦めることになるのです。

 

債務者が、まず、行うべきことは法律事務所を訪ねることではありません。

まずは、計画を作るのです。債権者に、債務者の返済能力を正しく把握してもらうのです。そうすれば、自然と、債権者の方から、債権の一部を放棄あるいは譲渡してくることになるのです。

 

◆間違っても無資格者に相談してはならない!

 

無資格の「自称専門家」には要注意

 

最近、事業再生のコンサルティングを真似る業者さんが増えてきています。

なかには、「債権者があきらめるまで放っておけば良い」とか、「担保設定がないならサッサと移転してしまえば良い」、「とりあえず資産を移転して抵当権消滅請求をすれば良い」、「とりあえず特定調停を申し立てればよい」、「いざとなったら民事再生を申し立てれば良い」等々、滅茶苦茶なアドバイスをするとこ ろもあるようです。

このようなアドバイスを真に受けたら大変なことになってしまいます。十分に注意することを心よりお勧めします。債権者と個別に合意するといっても、十分な根回しと対策が必要なのです。

専門家とは国家資格を有している者をいうのです。金融機関で勤務した経験があるからといって、それだけでは不十分です。法律事務所、会計事務所に勤務していたというだけでは何にもなりません。聞きかじりの知識があるだけの話です。

専門家とは有資格者のことです。なぜならば、有資格者は法的な義務を負っているからです。いい加減な対応はできませんし、守秘義務も負いますので安心して相談できるというわけです。法的責任が曖昧な無資格者とは根本的に違うのです。

 

「担当者」では話が進まない

 

インターネットで検索すると事業再生を手がけるコンサルティング業者が増えてきているようです。私が再生事業を始めた当時は、このような業者は見あたりませんでしたので随分と様変わりしたものです。

最近、私のところに寄せられる相談の中に、「担当者は大丈夫というだけで明確なアドバイスをくれない」「担当者が金融機関の交渉に同行してくれない」「責任者に会ったのは初日だけで、あとは頼りない担当者しか相手をしてくれない」といった相談が増えてきています。

 

これまた困ったものです。

無資格者が危険であるように、担当者なるものも危険です。責任を負わないからです。

責任論以前の問題として、そもそも無資格者や担当者には事業再生は荷が重い業務ということができます。

 

たとえば、債権者の事務処理規定を理解しないことには債権者の回収戦略が分かりません。債権者の打つ手が分からずに、どうして債権者との交渉ができるので しょうか。債権者の立場にも配慮することが必要であり、これは金融機関での業務経験がないと難しい判断であると言うことができるでしょう。

 

【拙著、本物の事業再生(ファーストプレス刊)より抜粋】

 

Ⅸ.初めての方へ

2015年2月23日 月曜日

初めてホームページをご覧になり、相談することを迷っている経営者の方も少なくないと想像します。経営者の皆様と実際に面談すると、「もっと早く 相談すればよかった」と話す経営者がいらっしゃいます。最初は誰でも迷っているのです。相談する決心をし、実際に行動しないことには、事業再生は実現しません。

 

迷っている経営者の方は、他社と比べてみてはいかがでしょうか。
ご自身の疑問点を洗い出した上で、当社にご相談ください。そうすれば、当社のコンサルティングの有効性を実感していただけると思います。

 

1. まずは当社のホームページをご覧ください

まずは、当社のホームページをご覧ください。

事業再生の進め方に関する当社の基本的な考え方の他、業種別の留意点や、実際の取り組み事例なども、できるだけ具体的に紹介してあります。

現在の経営者が経営権を確保したまま、風評被害を避けて私的整理による事業再生を目指すという当社の基本戦略を、できるだけ具体的に公表しています。金融機関と対立するのではなく協調しながら、債務者主導による事業再生を実現するというのが当社の基本方針です。

知識と経験、実績を比較していただければ、新参業者とは比較にならないと自負しています。

 

2. 他社のホームページと比べてみてください

最近になって事業再生を取り扱う類似業者が出現しています。

試しに、類似業者のホームページをご覧になり、当社と比較することをお勧めします。新参業者と比較することで、当社の優位性をお分かりいただけると自負しています。

参考までに、他社のホームページを見る際の着眼点を列記しておきます。

 

着眼点
    1. 設立はいつか(⇒新参業者の多くは10年に満たない程度の実績しかありません)

 

    1. 代表者に法的資格はあるか(⇒無資格者には法的な責任がないため、無責任な言動が目立ちます)

 

    1. 金融機関経験はあるか(⇒金融機関における不良債権の償却手続などの実務がなければ、金融機関との交渉を有利に進めることはできません)

 

    1. 実績が過大ではいか(⇒事業再生には一定の時間がかかるのであり、多数の再建実績は誇大広告の疑いがあります。数年で千件単位の実績などは絶対に不可能です)

 

    1. 説明が具体的か(⇒抽象的な説明に終始するのは具体的な実績が乏しいことが疑われます)

 

    1. 精神論やあるべき論、きれい事を並べていないか(⇒事業再生は生々しいものであり、きれい事では片付きません)

 

    1. 金融機関と対決するような姿勢ではないか(⇒金融機関と対決し、誤魔化すような姿勢では交渉は決裂します)

 

    1. 法的整理に依存していないか(⇒経営に関する知識と経験を持たない弁護士は、法的整理に依存する傾向があるので要注意です)

 

    1. 無料相談で何をどこまでするのか(⇒限られた時間では不十分な相談しかできませんので無料相談では不十分です)

 

    1. 報酬が過大でないか(⇒成功報酬や他の手数料の形で過大な報酬を請求されていないか)

 

    1. 税金対策を行う知識と経験と資格はあるのか(⇒税引後利益が返済金額になるという現実問題に対応するため、税金対策を行う知識と経験と資格があるか)

 

    1. 鑑定評価を行う知識と経験と資格はあるのか(⇒守りたい資産評価を正しく評価する知識と経験と資格があるか)

 

  1. 担当者は誰なのか(⇒実際に事業再生を進めることになる担当者に、十分な知識と経験と実績があるか)

 

3. 当社にご連絡ください

ホームページを比較するだけで、当社の優位性を十分にお分かりいただけると思います。 是非、当社にご連絡ください。

当社では「予備調査」の実施をお勧めしています。「予備調査」では、半日以上をかけてじっくりと再生計画を策定します。
その過程で、次のような各点を明らかにすることができます。詳しくは、「Ⅲ.予備調査」をご覧ください。
半日以上の時間をかけるため、予備調査は有料とさせていただいています。それだけに、内容の濃いものになります。

 

予備調査を行うにあたり、当社オフィスに来社していただく場合には一律55,000円(税込)を承ります。 当方から出張する場合には日当と交通費を加算させていただきます。多数の参加者で話を進めたい、担保不動産を見てもらいたい、現場確認をしてもらいたいといった場合には、当方が出かけて予備調査を行った方が有効な場合が多いようです。
詳しくは Ⅲ.予備調査 のページをご覧ください。

 

当社の都合によりコンサルティングを辞退する場合には、予備調査報酬の55,000円(税込)は返戻いたします。
御社の都合によりコンサルティングを実施しない場合には、予備調査報酬を返戻いたしません。
当社の予備調査では、下のような問題点を解決することができます。さらに、事業再生計画の大まかな内容も策定することができます。

 

問題点
    1. 資産保全はどのように進めるのか(⇒抵当権付きの資産と、そうでない資産の保全はどのようにするのか)

 

    1. すべての資産を守るのか(⇒たとえば抵当権付きの自宅はどうなるのか)

 

    1. 保証債務はどのように解消するのか(⇒社長の保証、親族の保証はどのように解消するのか。保証人の資産はどのように守るのか)

 

    1. 従来の返済は止めるのか(⇒今までの返済は止めていいのか、継続するのか)

 

    1. 債権者との付き合い方はどうするのか(⇒債権者とどこまで対立し、あるいは、どこまで協調するのか)

 

    1. 債権者との交渉をどのように支援するのか(⇒債権者との交渉に常に同行するのか)

 

    1. 債権者ごとに対策が異なるのか、あるいは一緒なのか(⇒担保の有無、残高の規模が異なる債権者との接し方をどのように差別化するのか)

 

    1. バンクミーティングはどのような形で進めるのか(⇒返済計画はどのように提示するのか)

 

    1. 金融債権者と一般債権者をどのように差別化するのか(⇒返済率は同じにするのか、あるいは、差別化するのか)

 

    1. 粉飾決算を隠すのか、開示するのか(⇒粉飾決算を行っている場合に、その事実をどこまで開示するのか、あるいは隠すのか)

 

    1. 今後の返済はいくらにするのか(⇒利息の支払い、元本の返済はどこまで行うのか)

 

    1. 返済額をどのように算出するのか(⇒事業計画の中で今後の返済をどのように行うのか)

 

    1. 社長貸付金(借入金)はどのように扱うのか(⇒社長との債権債務をどのように整理するのか)

 

    1. 系列会社貸付金(借入金)はどのように扱うのか(⇒系列会社との債権債務をどのように整理するのか)

 

    1. 事業譲渡と会社分割のどちらを採用するのか(⇒それぞれの制度をどのように利用するのか)

 

    1. 負債額をどの程度まで圧縮するのか(⇒現在の債務をいくらまで圧縮するのか)

 

    1. 資金調達はどのようにするのか(⇒事業計画を達成するための資金をどのように調達するのか)

 

    1. 新たな資金調達ができなかった場合にどうするのか(⇒資金調達がゼロの場合に、どのように事業計画を進めるのか)

 

    1. 事業再生を達成するのに、どれくらいの時間が必要か(⇒債権者との合意を得て事業再生を達成するのにどれくらいの時間が必要なのか)

 

    1. 民事再生や自己破産はどのような場合に行うのか(⇒自己破産は必要なのか)

 

  1. 民事再生に移行せざるを得ない場合、再生計画はどのような変更が必要になるのか(⇒経営者にどのような影響が及ぶのか)

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【初めてホームページをご覧の皆様へ
いかがでしょうか。
初めてホームページをご覧の皆様の参考になったでしょうか。

 

他社との比較をすることで、安心して当社に相談することができるのではないかと思います。さらに、私がこれまでに公表してきた各種の書籍により、当社の取り組み方の基本姿勢がお分かりいただけると思います。
中には、各業種の具体的な事例を実話形式で紹介した書籍もありますので、事業再生の実態を、より具体的に把握できるのではないかと自負しております。

 

大切な事業の再生は、簡単にはできないと考えています。

 

たとえば、自分の会社を立ち直らせた経験を基にして事業再生コンサルティングを行う業者がいますが、まったく話になりません。それだけでは、単なる想い出話か自慢話にしかならないからです。事業再生は様々なケースがあるのであって、ケースバイケースで対策が異なるものです。この点を理解することなく、当時の自慢話?を、様々な事業再生に無理に当てはめられたのでは、まとまる話もまとまりません。このような「偽専門家」のお陰で、いくつもの失敗例が生じてし まっています。

 

それだけではありません。
金融機関の経験がないと償却手続が理解できませんし、金融機関の経験があっても、回収責任者でなく融資実行担当者としての経験では、組織としての意思決定 プロセスが分りません。中には、金融機関の自己査定で少しでも良い評価を得るためのノウハウ?をセールスポイントにする専門家?もいますが、本末転倒です。全く分かっていません。そもそも、不良債権に分類された債務者が、債務者自身の小手先の対策で、債権者の自己査定で格上げされるわけがありません。なぜならば、不良債権と分類された「実質破綻先」「破綻先」等々は、回収部隊の担当になっているのであり、回収の極大化が至上命題で有る以上、自己査定の格上げは眼中にないからです。自己査定の格上げを薦める専門家?は、金融機関の融資実行担当者からの視点に過ぎず、回収の何たるかを見失っている、あるいは知らないのです。このような専門家?に、不良債権の事業再生は不可能であるといえるでしょう。

 

有資格者は法的な守秘義務を負っています。業務内容の公平性・信頼性は公的にも保証されており、無資格者とは業務内容のクオリティが異なるだけでなく、対外的な信用力が全く異なります。法律事務所や会計事務所、コンサルティング会社の従業員としての経歴だけでは、法的責任を負うわけでもなく、無資格者に変わりはありません。最近になって出現した事業再生に関する民間資格も、単なる認定資格であり、公的資格とは次元が異なるレベルのものに過ぎません。
単に実務経験の延長線上で議論や交渉を行うのではなく、何故そうなるのかを理論的に明らかにすることで、説得力・交渉力を高めることが可能となります。MBA(=経営学修士)の学位だけでは研究者としては不十分であり、説得力・交渉力は全く期待できません。

 

さらには、事業再生に関わる経験と知識がないと、満足な返済計画が策定できません。有担保・無担保の違い、残高の違い、融資期間の違い等々に応じた返済計画を策定し、合意に結びつけることは一筋縄ではいきません。 仮に事業計画を作ることができても、返済計画が不備であったのでは事業再生は成功しないのです。事業計画と、返済計画は異質なものだからです。

 

当社では、債権者との折衝などは全て、代表者であり、有資格者である私が直接担当します。当社の事業再生を例えて表すならば、量販店の安物ではなく、専門店の良品を目指しています。
そのため、同時期に多くの事案を引き受けることができませんが、案件の一つ一つに、丁寧に取り組んでいます。お引き受けした事案については、365日、24時間のホットラインにより、丁寧に取り組んでいます。安心してご相談ください。

 

ご相談にあたっては、直接、当社にご連絡いただいても結構ですし、顧問の会計事務所がある場合は、会計事務所経由でのご連絡も歓迎しています。
まずは、「予備調査」を実施なさることをお勧め申し上げます。

 

「無資格・無責任な偽専門家?は退散しろ!」・・・私は、このことを強く主張したいと思っています。

 

現在の経営者が経営権を確保する形での事業再生を目指し、全国各地の中小零細企業の事業再生に取り組んでまいります。 日本全国からのご相談をお待ちしております。経営者ご自身からの連絡、あるいは、顧問会計事務所からの連絡も大歓迎です。

 

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(株)千代田キャピタルマネージメント
代表取締役社長 高 橋 隆 明
不動産鑑定士・税理士
博士(経済学)・博士(経営学)

Ⅷ.特別な支援

2015年2月23日 月曜日
「現在の経営者による経営継続を実現することが真の事業再生である」との基本方針のもと、銀行との交渉においても特別な支援を行うほか、資産譲渡、会社譲渡、債権譲渡の3形態に応じて、次のような特別な支援を行なっています。


(1)銀行交渉に関する支援
(2)資産譲渡に関する支援
(3)会社譲渡に関する支援
(4)債権譲渡に関する支援

(1)銀行交渉に関する支援

当社が実践する事業再生の基本姿勢は、金融機関との争いを避け、債権者と債務者が協調することで双方が満足する形での事業再生を成立させるというも のです。この基本姿勢は当社が事業再生コンサルティングを手掛けるようになって以来、一貫しています。このような方針のもと、銀行交渉にあたっては次のよ うな支援を行っています。


1.返済能力の保証
事業再生にあたっては債権者と債務者の間で返済額の交渉が行われます。債権者としては少しでも多くの回収を目指すものの、債務者の返済能力を超える返済を要求したのでは交渉は合意できません。このような交渉の決裂リスクを回避する必要が生じます。


債権者が期待する返済能力と債務者の実際の返済能力は異なります。債権者の期待値>債務者の返済能力であれば、交渉は決裂してしまいます(注1)。 交渉にあたっては債権者に過度の期待をさせるのではなく、債務者の返済能力を正しく理解してもらうことが重要になります。債務者の返済能力とは、過去の経営成績に基づいた将来の予測です。この場合、納付すべき税金を計算し、税引き後の利益をもって返済することになります。これは、まさに税理士の本来業務に他なりません。


債務者の返済能力を正しく把握し、返済能力を債権者に保証することで、交渉の決裂リスクを回避するように努めています。


2.返済総額の確定
債務者の返済能力を保証しただけでは不十分です。債権者との交渉にあたっては、返済総額の確定が必要になります。
この返済総額は各期の返済額×返済年数で求められます。ここで、債権者と債務者の間の利得配分を明確にしなければなりません。合意した返済期間内は全ての 利得を債権者に配分します。よって、合意した返済期間内は債務者への利得配分はゼロとなります。債務者の利得はゼロであっても、合意した返済期間を経過した後の利得は債務者に配分されることになりますので、債務者は、将来の利得配分を期待して、合意した返済期間内における利得配分がゼロであっても返済を継続します(注2)。言いかえれば、返済期間が有限であるからこそ、債務者は自己の利得がゼロであっても返済を行うのです。


債務者の返済能力は債務者の努力水準の如何により、債務者側で決定することになります。しかし、返済年数を決定するのは債権者です。債務者は返済する義務 を負うのであり、債権者の求める期間の返済をする義務を負うのです。しかし、いつまでも返済を求められたのでは、債務者のヤル気が無くなるのは当たり前の話です。債務者のヤル気を引き出すためには、債務者にも何らかの利得を与えなければなりません。そこで、返済期間を有限とし、期間経過後の利得を債務者に与えるのが合理的な考え方です。債務者は返済期間経過後の利得を得ることを期待して、返済を継続するというわけです。


債務者の努力水準を最大限に発揮するためにも、「返済期間は有限であるべし」という基本的な考え方に基づき、事業再生を成功させるカギとなる返済総額の確定に向け、債務者の立場に立って債権者との交渉を支援しています。


—————————–


以下の説明は少し理論的になりますので、興味のある方だけご覧ください。なお、興味のある方は、「学会・教育・研究活動」のページもご参照ください。


注1

下の図は、縦軸に金額を、横軸に期間をとり、角度は債務者の返済能力を表しています。角度Hは債務者の返済能力の限界値で、VH(t*)は債務者の期間t*の返済額になります。VL(t*)は債権者の受忍下限値です。合意額をaとすると、交渉が成立するためには、VH(t*)≧a≧VL(t*)が成立していなければなりません。

債権者と債務者の利得配分



注2

下の図は、縦軸に金額を、横軸に期間をとり、期間tにおける債務者の返済総額を表しています。債権者が返済期間t*を選択すれば、期間t*における返済額 a*全額が債権者の利得として配分されます。その間、債務者に配分される利得はゼロですが、債務者としては期間t*を超えた部分、すなわちa-a*は全額 が債務者に配分されますので、この部分を期待して合意期間t*は全ての利得を債権者に配分しても、債務者は満足を得られることになります。

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(2)資産譲渡に関する支援

資産譲渡の代表的な方法は、担保不動産をクライアントが用意した別会社に譲渡するというものです。そのためには、別会社で資金調達をして資産を購入するのが本筋ですが、どうしても資金調達ができない場合もあるのが現実です。このような場合に、当社ではリースバックによる支援を行っています。また、資産譲渡に関する金額について、債権者と債務者の間の合意がスムーズに行われるよう、必要に応じて鑑定評価を実施しています。


1.リースバック
クライアントが用意した別会社に資産を譲渡するのが本筋ですが、どうしても別会社で資金調達ができない場合には、当社が物件を取得し、クライアントの別会社にリースバックする方法をとることがあります。この場合には、クライアントに変わり当社が資金調達をすることになります。当社は、調達金利に一定のリスクプレミアムを加算して賃料を受け取ります(注1)


数年間にわたり、クライアントは家賃を支払い、当社は家賃を受け取るという、リースバック形式により資産の保全を実現します。数年の間にクライアントの別会社は資金獲得能力をつけ、資金獲得ができるようになった時点で、当社はクライアントの第二会社に資産を譲渡するというわけです。クライアントは賃料という費用を負担することになりますが、全額が損金になりますので、元本返済に比べて余裕のある経営計画を実現する可能性もあります。


このリースバック方式によれば、時間はかかるものの、当社が資産を保全しますので第三者に資産を奪われないで済むため、どうしても資金調達ができない場合に有効な方法です。


2.鑑定評価
資産を売却して返済すべきところ、債務者がどうしても物件を売却しようとしない場合には、債権者が競売を申し立てることになるのは当然です。
債権者は早く換金して回収したいのに対し、債務者は別会社に任意売却したいという立場にあります。金額については、債権者は少しでも高く換金したいのに対し、債務者は少しでも安く別会社に譲渡したいと考えています。


別会社に譲渡する場合、購入する別会社は真正な第三者ではありませんので、取引価格の価格設定が不透明になっています。債権者にしてみれば、取引価格が曖昧なままでは担保解除に応じることはできません。客観的な評価がないと話が進まないのです。


客観性を高めるため競売手続を進めるのも一つの方法です。手続を進めると、裁判所が選任した不動産鑑定士が鑑定評価を行い、これを基礎に競売価格が公表さ れますので価格の目安を得ることができます。その金額を基に債権者と交渉を行い、金額の合意ができれば競売を取り下げてもらい、合意した金額で任意売却を すれば良いのです。
しかし、競売を申し立てることにより、債務者への風評被害が生じることは不可避です。そこで、不動産鑑定士による鑑定評価を行い、競売価格を予想することで話し合いの基準となる価格を求めることは有効な方法となります(注2)


債権者が金額に納得すれば競売はいらないのです。債権者との交渉で、債権者が納得できるような鑑定評価を行っています。

—————————–

注1

賃料の決定にあたっては、資金調達金利の他、物件の評価額、所在地などを総合的に勘案します。クライアントの事業再生が目的ですので、再生が不可能な水準 での賃料設定はありません。なお、リースバック方式は、クライアントと当社との間に信頼関係がないとできない方法であり、個別の案件毎に慎重な審査を行い ますので、すべての案件に適用するものではありません。個々の例により異なりますので、詳しくは個別にご相談ください。

注2

不動産の評価額は、いわゆる通常の時価としての正常価格の他、競売を行う場合の特殊な価格として特定価格というものがあります。単に正常価格を求めるのでは、債権者との交渉は不十分です。当社では、正常価格はもちろん、特定価格の鑑定評価も行います。銀行との交渉にあたっては、不動産鑑定士・税理士として 交渉に参加することで、債務者の立場から説得力ある支援を行っています。

(3)会社譲渡に関する支援

クライアントが用意した別会社で資産や事業を譲り受けるにしても、場合によっては適任者を確保できない場合もあります。このような場合に、会社の役職就任を引き受けたり、株主としての立場を引き受けたりすることで、会社制度を活用する形で事業再生がスムーズに行えるような支援を行っています。


1.役職就任
別会社を設立し、事業譲渡や資産譲渡を行う場合、その役職は誰でも良いというものではありません。事実上、債務者の会社ですので、債務者が信頼できる人物でなければならないのは当然ですが、債権者の立場からも、第三者でなければならない場合もあるのです。


債権者は不良債権の償却をしたいということを見失ってはなりません。満足する回収額を得れば良いというものではなく、残った債権を適正に償却することで、不良債権処理が終わるのです。そのためには、必要な手続きを踏まなければなりません。単に、従来の経営者が別会社を設立し、そこに事業や資産を譲渡するというシナリオでは社内稟議書を作成できないのです。いい加減な処理を行っていたのでは、後日の検査・監査で利益供与と疑われかねません。


かかる恐れを解消するために、形式的な要件を整える必要があるのです。決して金融機関を騙すのではなく、金融機関の償却手続きをスムーズに進めるため、ひいては、金融機関との交渉を円滑に進めるために役職を引き受ける場合も少なくありません。


なお、経営の強化を図る目的で経営補助者としての役職就任も行っています。詳しくは、「経営参画」のページをご参照ください。


2.株主引受
我が国では、株主は会社に対して各自の有する株式の引受価額を限度とする有限責任を負うのみであり、会社債権者に対する弁済義務を否定する制度が採用されています。制度上は、所有と経営が分離されているので、株主は「金は出すが経営に直接的に口は出さない」のが基本ということになります。株主は、自らの出資金の範囲で責任を負うのであり、したがって、出資金の全額を失うことが最大の損害ということになります。株主は株主総会の構成員として、会社の基本的事項や株主にとって利害関係の大きな事項を決定するほか、取締役・監査役などの選任・解任等の決定を行うことになります。さらに、単独株主権や少数株主権と して、会社経営を監督する権限も与えられています。多くの零細企業においては、経営者一族が株主であり、制度の理念とは別に、事実上、所有と経営が一体化しているのです。


株主は登記されるものではありませんが、会社の定款には記載されています。また、決算申告書にも記載しますので、直近の株主を把握することができます。こ のように株主が誰であるかを把握することができるため、株主を第三者にしておかねばならない場合も生じるのです。たとえば、金融機関としては第三者への譲渡を求めることもありますし、金融機関との交渉を進めるために、第三者の会社であることを強調することが有利な場合も少なくありません(注1)。 しかし、経営権を維持するためには、株主としての地位は経営者一族で押さえる必要があります。株主の地位を他人に譲ってしまったのでは会社を乗っ取られて しまうからです。いわゆるM&Aでは事業の再生は可能であっても、他人に経営権を奪われてしまいます。会社を乗っ取られないようにするためには、きちんと 約定を結ぶことで会社を確実に取り戻す手立てを講じておかねばなりません。信頼できる第三者に会社を譲渡した後、あらためて、会社を取り戻すというわけで す。第三者との間に確実な信頼関係がなければできない方法です。


会社譲渡により事業再生を目指すにあたっては、将来の税金負担の問題にも配慮する必要があります。たとえば、本来はAさんが株主であるべきところ、諸般の事情からAさんは表に出られないためにBさんを株主にしたとします。将来時点で株主をBさんからAさんに変更すれば良いと考えるだけでは不十分なのです。 なぜならば税金が発生する可能性があるからです(注2)


さまざまな問題を回避し、間違いのない対策を講じることは税理士としての本来業務です。当社では、将来の税金対策までも念頭に置き、会社譲渡に関する支援を積極的に行うことで、事業再生を成功させています。

—————————–

注1

金融機関への配慮として株主を第三者としておくことが求められるという考え方は、前1.の役職就任における場合と同様です。さらに、第二次納税義務との関係で、第三者としておく場合も少なくありません。個別具体的であり、微妙な問題ですので、詳しくは個別にお応えします。お気軽にご相談ください。

注2

仮に会社の資産が1億円で、借入も1億円であったとします。この場合、会社の価値は事実上、ゼロですので、株主をBさんからAさんに変更しても問題にはな りません。しかし、返済が進み、仮に借入がゼロになったとします。この段階で資産が1億円あるならば、会社の価値は事実上1億円ということになります。この段階でBさんからAさんに株主を変更すれば、Bさんには1億円の利益が生じたものと税務当局に判断されることになります。実際に金銭の授受をしたか否か ではなく、事実上、1億円の価値のあるものをBさんはAさんに譲渡したと見られるわけです。このように考えると、株主を安易に第三者名義にしておくことは 避けるべきであり、適切な対策を講じておかなければなりません。


(4)債権譲渡に関する支援

債権譲渡に関する支援策としては、金融機関等の他社がクライアントである自社に対して有する債権の譲渡(この場合、クライアントは債務者になります)と、クライアントである自社が他社に対して有する債権の譲渡(この場合はクライアントが債権者になります)に大別されます。


1.他社が有する債権の譲受(債務者として)
債権者と債務者の交渉が成立しても、単に債務免除を受けたのでは債務免除益を計上しなければならず、課税対象利益になってしまうという問題があります。一定範囲で繰越損失との相殺が認められるとはいえ、臨時巨額な特別利益を消化できない場合は大きな問題となってしまいます。このような場合には、単なる債務免除ではなく債権譲渡を活用することで問題解決を図ることが有効です。


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左図のように、仮に10億円の負債があり、その内、担保不動産は1億円、無担保部分が9億円ある場合を例にとります。この場合、1億円の不動産を売却して返済し、残りの9億円の一部を返済するとします。

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残り9億円の負債の一部返済額は債権者との交渉で決まります。ここでは1000万円の返済で合意に至ったと仮定します。この場合、単に債務免除を受けただけでは9億円から1000万円を差し引いた8億9000万円もの債務免除益が発生してしまいます。

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そこで無担保の8億9000万円については原債権者に債務免除をしてもらうのではなく、原債権者から債務者の指定先に 債権譲渡をしてもらいます。債権を譲り受けた後は、その債権を回収するのではなく、クライアントの経営実態に合わせる形で債務免除を行うことになります。 これにより、臨時巨額の債務免除益の計上を避けることが可能となります。


当社の業務は単に債務免除を取り付けるだけではありません。実際に免除を受けた後についても適切な計画を実践することによりクライアントの再建を支しています。これまでにも債権の譲り受けを行っており、当社が譲り受けた債権総額は既に50億円を超えています。


2.他社に対する債権の譲受(債権者として)

他社に対する債権とは、債務者が債権者として他社に対して債権を有する場合の対策です。これを放置しておくと、将来において債務者の債権者が債権者代位権 を行使してくるという問題が想定されます。すなわち、クライアントAが、他社Bに対して債権を有する場合に、Aの債権者Cが、Aに代わってBに有する債権を回収してくるという可能性です。Bへの債権を回収されても良いのであれば何も対策を講じる必要はありませんが、Bへの債権の回収をされたのでは困る場合 には、AがBに対して有する債権を譲渡しておく必要があり、それなりの手続きを踏む必要があります。


Aに対する詐害行為を行うものではありません。債務者が他社に対して有する債権が存在していたのでは、債権者が債務者に対する債権を貸倒処理しにくいので債権を消しておくというものです。このことは、先に「会社譲渡に関する支援」のところで詳述した通りです。


具体的に手順の概要を示すならば、次のようになります。個々の例により異なりますので、詳しくは個別にご相談ください。


・まず、AとBの間で、債務承認弁済約定証書を作ります。たとえば、両者間に1億円の貸借があることを双方が確認します。ここで、債権を劣後債権としておきます。たとえば、10年後に毎月100万円ずつ返済するという約定にします。
・これにより、Bは返済猶予されるというメリットの他、Aは10年間も回収が期待できないため、債権の価値が低くなるというわけです。
・次に、その債権を譲渡します。たとえば、当社がこれを譲受けます。
・債権額は1億ですが、10年間も請求できない債権ですので、債権の譲受価格は安くなっても当然です。
・当社は債権の購入代金をAに支払います。AはBに対して、確定日付郵便で債権譲渡通知を行います。
・当社とBの間で、あらためて債務承認弁済約定証書を作成します。
・以上の手続きにより、AはBへの債権を失いますので、債権者CがAに代わってBへの債権を回収することはできなくなります。


当社では、さまざまな形で債権譲渡を利用しながら、債権者との交渉を有利に進めるための支援を行っています。

Ⅶ.取組事例

2015年2月23日 月曜日
債務免除を実現するということは、債権者と債務者の攻防戦を勝ち抜くことです。

ここで、当社が実際に経験してきた具体的な事例を紹介することにします。これらの事例は、これまでに出版してきた様々な書籍の中でも紹介しています。

本ホームページをご覧の皆様の状況と類似の事例が見つかるかもしれません。類似例が見つかったならば、それを参考にしながら、迷いを捨てて、自信を持って臨むことで事業再生を果たすことができるのです。

中小企業が債務免除を受けようとする場合、正攻法だけでは不十分な場合もあります。小回りかきくという中小企業の特徴を逆に生かし、知恵と工夫により債務免除を勝ち取ってみてはいかがでしょうか。

事例1:別会社で買い支えた例(資産譲渡&賃貸)
事例2:別会社で買い支えた例(資産譲渡&自己使用)
事例3:別会社で買い支えた例(事業譲渡)
事例4:別会社で事業継承した例(事業譲渡)
事例5:別会社で事業継承した例(会社分割)
事例6:別会社で事業継承した例(新会社設立)
事例7:一部閉鎖して経営続行した例
事例8:競売を誘導し別会社が最低競売価格で買い受けた例
事例9:資産を1円で譲渡し破産申立を回避した例
事例10:返済を停止して債権譲渡を誘導した例
事例11:外資系を優先して返済した例
事例12:地元銀行が支援した例
事例13:債権譲渡で節税した例
事例14:債権譲渡で会社を保護した例
事例15:別会社を利用して相続対策まで完了した例
事例16:3年後に一括返済するとの総額を約定した例
事例17:別会社に債権譲渡して最終処理をした例
事例18:弁護士に不動産を売らされた例
事例19:債権者破産を申し立てられた例
事例20:無担保不動産を資産譲渡して新債権者の要求に屈した例
事例21:計画が自己満足の域を超えず融資を得られず挫折した例
事例22:粉飾決算の事実を告白し再生を進めた例
事例23:空き室を埋めて防衛した例
事例24:金融機関の事情に合わせて再生した例
事例25:利息ではなく元本に充当した例
事例26:債務者の返済能力を明らかにした例
事例27:他社による最悪なアドバイス例
事例28:会計事務所との共同作業の例
事例29:金融機関からの紹介を受けた例
事例30:他のコンサルタントからの支援要請を謝絶した例


事例1:別会社で買い支えた例(資産譲渡&賃貸)

某都市銀行の不良債権処理の一環で貸し剥がしの対象になった例です。抵当権を背景に、債権者から不動産の 売却による一括返済を迫られたものの、その不動産は特別の事情で売却できないものでした。そこで全くの別会社を設立し、当該法人が不動産を購入し、賃貸に供することで事実上の所有権を確保することにしました。債務者は金融機関に対し、「不動産は不要なので売却する」旨の意思を示し、金融機関もこれに応じて、売却代金での一括返済を承諾しました。もちろん、債務者は条件として連帯保証人となっていた親族の保証債務をはずしてもらうことを忘れずに行いました。売却に便乗して保証債務の免責を取り付けたわけです。債務者が設立した別会社は、賃貸による返済計画を策定し、新規融資先を確保した上で、その別法人が資産を買い受けることにしました。典型的な第二会社方式の一例です。このような例は数多く見られます。


事例2:別会社で買い支えた例(資産譲渡&自己使用)

社長宅の売却を迫られた事例です。この例でも、全くの別会社を設立し、当該法人が不動産を購入し、個人としての社長に賃貸しすることで事実上の居住権を確保することにしました。新規融資先を確保した上で当該別法人が資産を買い受け、従来通り、社長が居住しています。このような場合、新規融資の道は狭まります。全くの第三者に賃貸する場合はニューマネーが入るのですが、社長個人への賃貸となると債務者グループ の中で資金を回すだけに過ぎないため、新規融資の審査に通らないからです。自己資金をどのように調達するかが課題です。担保不動産が優れている場合には融 資が通りやすいということができます。現実に融資を受けられるか否か、また、それを返済できるか否か、が成否の分かれ目になるといえるでしょう。


事例3:別会社で買い支えた例(事業譲渡)

別会社を活用した例です。資産譲渡ではなく事業譲渡を採用しました。事業譲渡にした理由は、金融機関が担保を上回る金額でないと合意しないとの強硬な姿勢を崩さなかったため、やむなく担保評価額を上回る負債を引き継ぐこととし、超過額は新会社の営業権としたからです。仮に金融機関が資産額と同額での売却に応じるのであれば、事業譲渡ではなく資産譲渡の形で別会社が買い受ければ良いような事例でした。しかし、金融機関は不動産の評価額を2割程度上回る金額でないと担保抹消に応じないとの強硬な姿勢を変えようとしませんでした。そこで、新規融資先と交渉の結果、債務者が不足額を自己資金として拠出し、評価額の2割増しで決着を図ることにしました。単に資産譲渡にしたのでは差額がまるまる無駄になりますので、営業権を含んだ事業譲渡を受ける形で、事業譲渡の道を選ぶことにしました。新会社は、営業権償却による節税効果により経営を継続したことは言うまでもありません。


事例4:別会社で事業継承した例(事業譲渡)

同一の事業をいくつもの拠点で行っている会社でした。そのうちの、いくつかの拠点に担保を設定している某都市銀行が不良債権処理の一環として一括返済を迫ってきた事例です。事業は同じであるものの拠点を切り離して第三者に事業譲渡した形を採用することにしました。新規融資先を確保し、営業権を計上して償却による節税の可能性を確保しました。商号を続用し、競業避止義務は特約で排除し、事実上、系列店として経営を継続することになりました。この例は流通業の例でした。たとえば不動産賃貸業の場合は駅からの距離、日当たりの良し悪しなど、その不動産自体に価値が 認められるのであり、不動産の名称はあまり問題になりません。しかし流通業の場合はネームブランドが必要な場合が多く見られます。本例の場合もどうしても 商号の継続使用が必要でした。本例は、競業避止義務も特約で排除し、従来の場所で従来の商号で事業を継続しています。仕入先などの一般債権者への返済は滞りなく行っていますので、従来と何の変化もありません。そもそも、仕入先などの一般債権者への返済は免除対象にするべきではありません。お互いが苦しい経営環境の中で事業を行っているのであり、一般債権者への返済を免除してもらうようでは、仮に新しく別会社で事業を継続したところで信用が失墜し、再度の経営破綻が起きるのは目に見えています。債務免除を受けるのはあくまで金融機関からの借入金債務に限定するべきです。本例の場合も、一般債権者への支払いは滞ることなく行っています。


事例5:別会社で事業継承した例(会社分割)

複数の拠点を有する会社において、そのうちのいくつかの拠点は独立採算が十分に可能でした。しかし、過去のしがらみから、収益を挙げている拠点の利益を、他の不採算拠点の債権者への返済にあてているような状況でした。収益性の高い拠点と不採算拠点の債権者が異なっていたため、直ちに事業分割を行うことにしました。抵当権も両拠点で分かれており、複雑に入り乱れているようなものではなく、収益性の高い拠点の債務は、不動産担保価値とほぼ一致しており、資産と負債がバランスするような状況でした。そこで会社分割を採用することとし、収益性の高い拠点は新設分割により新会社で運営することにしました。不採算拠点の債務は、将来、債務免除を受けることを視野に入れて細々と返済することにしました。大幅に返済額が減少しましたが、不採算拠点の債権者としては別会社への請求はできず、少ない返済に甘んじることになりました。債権者が不良債権として処理するタイミングにあ わせて、一挙に債務免除を取り付けることになりました。


事例6:別会社で事業継承した例(新会社設立)

建築事業と不動産賃貸事業を営んでいる会社が、バブル絶頂期に建築したマンションにかかわる借入金が経営の足を引っ張っていました。建築事業は順調に推移していたものの、マンション建設資金の返済はマンションからの利益では返済できず、建築事業の利益をマンション事業の返済に充てていました。銀行の不良債権処理の一環で、債権が外資系とRCCに譲渡されました。事業の核となる建築事業は順調であったため、建築事業の資金手当てには問題がなかったので、事業を分割することにしました。事業譲渡、会社分割の手法を採用するまでもなく、直ちに建築事業を別会社で開始しました。仕掛中の物件は未完成物件として新会社に譲渡し、新会社で残工事を行い、完成品としての利益は新会社で計上することにしました。しかし、仕掛中の物件が数件しかなく移すべき資産が限られていたこと、またブランドにこだわる必要がなかったことから、あえて事業譲渡や会社分割の手法を採用するまでもなく、全くの別会社を設立することにしたものです。不動産事業は収益率の高い物件のみ地元金融機関から融資を引き出し、別会社を設立して購入しました。 収益率の低い物件は抵当権実行も覚悟の上で、売主を探し第三者に売却し債権者に返済しました。


事例7:一部閉鎖して経営続行した例

バブル時に拠点を拡張するために金融機関から借り入れを行ったものの、その後の経済情勢の変化により拡張 部分からの収益計上が低迷し、返済が困難になっていました。調査したところ、拡張した部分を廃止しても経営は続行できると判明しました。そこで、拡張前の状況に戻すべく、債務者が自ら拡張部分を閉鎖し、当該部分を担保にとっている金融機関には「競売の申し立てをしてもやむを得ないが、できれば任意売却で進めたい」旨を申し入れました。金融機関としても、費用と労力のかかる競売よりも、債務者が任意売却してくれるほうが経済合理性に勝るというのが本音ですので、返済の意思を示しておくことは重要であるからです。果たして、若干の抵抗はあったものの競売の申し立ては行われず、しばらく膠着状態が続きましたが、 結局、金融機関が新しい買主を探し出してくれました。金融機関としてみれば無用な争いを引き延ばすよりも新しい融資先を見つけ出し、そこに融資を行って買取らせるほうが得策です。これにより不良債権を片付けることができるだけではなく、正常取引を増加させることができたわけです。金融機関にとっても嬉しい話であったのです。


事例8:競売を誘導し別会社が最低競売価格で買い受けた例

銀行へは月々相当額を返済していましたが、銀行は担保不動産の売却を迫ってきました。その不動産は収益物件であり、安価で売却することは経営の根幹を揺るがしかねないものでした。任意売却するとしたら、いくらなら納得するのかを金融機関に打診したところ、評価額を大幅に上回る金額を提示してきました。そこで月々の返済を停止し、銀行が競売に着手するのを待つことにしました。数ヵ月後、競売が申し立てられ、直ちに裁判所選任の不動産鑑定士が最低競売価格の調査を行いました。その結果は予想していた評価額とほぼ同額でした。銀行とは最低競売価格を若干上回る金額での任意売却で合意し、事実上、債務者が設立した別会社が買い受けることになりました。最悪の場合は競売手続きの中で全くの他人が競落する危険もありましたが、他に有効な手段がなかったために危険を冒し、結果的にそれが成功した例です。この方法は全くの他人に競落されてしまうという危険があるものの、金融機関の自己査定額が明らかに高い場合には、採用を検討すべき最後の手段ということができるのではないでしょうか。現に、いくつもの類似事例が成功していま す。


事例9:資産を1円で譲渡し破産申立を回避した例

外資系企業に譲渡された債権には抵当権が設定されていましたが、その土地は不整形であり接道部分が狭いものでした。入り口部分には他の債権者が抵当権を設定している土地があり、この土地が接道を狭くしていたのです。外資系は入り口部の土地と併せて処分することで資産価値を高める目論見でした。債権者が破産を申し立てることにより、入り口部分の債権者から安価で土地を入手し資産価値を高めるという攻撃が予想さ れました。そこで、入り口部分の土地に担保設定をしている債権者の内諾を取り、当該土地部分を全くの第三者たる会社に抵当権付のまま1円で譲渡しました。 これにより、仮に外資系が破産申し立てをしても、入り口部分の土地は破産財団を組成せず、外資系が担保を設定している土地は不整形のまま処分されることに なるからです。1円譲渡により、入り口部分の土地が外資系に奪われることを防止するとともに、債権者破産申し立てそのものの回避を狙ったわけです。これにとどまらず、外資系が債権者破産申し立てを行った場合には、これを機に、第三者たる別会社を設立し、新規融資先からの資金調達を行って安価に買い支えることにしました。


事例10:返済を停止して債権譲渡を誘導した例

担保不動産の任意売却を迫られる一方、月々の返済を行っている会社が、売却すべき不動産が底をついてきた 事例でした。すべての不動産を売却しても債務が残る状態でしたが、交渉の過程で金融機関としては「全資産を売却してくれれば債権譲渡を行う」との意向を示してきました。そこで、返済を停止することにしました。金融機関からは返済の継続の申し入れがありましたが、「売却して返済するのが精一杯であり毎月の返済はできない」との姿勢を崩しませんでした。月々の返済を停止した理由は、将来、債権譲渡がなされる時点で債権譲渡価格が高くなるのを防いだためでした。 結局、競売はなされず、資産の任意売却による返済がなされました。全資産の売却が終わり、さらに月々の返済が行われていないため、債権譲渡価格はゼロに近いと予想されました。その後、債権譲渡がなされた時点で、数十万円の支払いにより、新債権者から事実上の債務免除を受けることになりました。このように、月々の返済を停止するということは、その時の資金繰りが楽になるだけではなく、将来の返済額も楽になる(あるいはゼロになる)とさえ言えるわけです。事実、返済を停止しても問題が発生しなかった例は散見されます。金融機関への返済停止という最後の手段を積極的に検討する価値は大いにあるのです。


事例11:外資系を優先して返済した例

某金融機関の不良債権処理の一環として債権が外資系サービサーに債権譲渡されました。営業用資産に抵当権が設定されており外資系サービサーの債権は大半が保全されていました。外資系サービサーは競売による全額回収を迫ってきましたが、唯一の営業用資産なので競売された場合は経営継続が不可能になることが明白でした。地元金融機関と政府系機関に外資系債権の肩代わりを要請し、ほぼまとまりかけたのですが、最後の段階で政府系機関が辞退してきました。急遽、交渉先を外資系サービサーに変更し、「一括返済ではなく分割返済。残余は請求権放棄」の合意を得る一方、地元金融機関とは、「外資系サービサーに全額優先返済。完済までは地元金融機関への元利棚上げ」で合意を得ることになりました。その結果、外資系サービサーの債権のうち、抵当権で保全されていない部分について、事実上の免除を実現したのでした。一般に、新債権者は数年程度の時間的猶予しか与えません。その間に競売などで一挙に回収するのが通常です。本例も同様で、分割返済の期間は2年とされました。幸いなことに、地元金融機関への返済を全額停止し、全部を新債権者に回すことで競売価額を上回る額の返済が可能であったこと、また、地元金融機関がこれに応じたことから再建が可能になったわけです。その結果、新債権者の債権のうち、抵当権で保全されていない部分について、事実上の免除を実現することになりました。


事例12:地元銀行が支援した例

バブル絶頂期に高金利で借りた負債が経営を圧迫し、私財を投入する形で返済を続けていましたが、いよいよ 返済資金が枯渇する事態になりました。延滞税金も多額になり、税金支払いを前提とする民事再生法による再生計画も困難となってしまいました。地元金融機関は担保設定の比率が低く、経営破綻した場合には多額の貸倒れが発生する恐れがありました。地元金融機関との交渉を通し、高金利の借り入れ分の肩代わりと一部返済猶予を申し入れたところ、当初は慎重でしたが、再建計画を策定し交渉を重ねた結果、地元金融機関の協力を取り付けることになりました。再生手法としては事業譲渡を採用し、営業権の償却という節税効果を最大にすることで返済原資を大幅に確保しました。すなわち、採算がとれる資産と、それに見合う負債プ ラスアルファを、営業権とともに新しい別会社に譲渡しました。プラスアルファの部分は営業権として認識し、資産計上することで貸借がバランスし、債務超過ではない正常な債務者として位置づけました。つまり、移した負債額は不良債権から正常債権に昇格したわけですので、メインバンクとしても不良債権の処理が完了したことになります。新会社は債務超過ではなく金融機関にとっては「正常債権」となるため、金融機関にとっても「不良債権が整理」できただけでなく、 「新規融資先を確保」できたことになります。残った旧会社は、相変わらず債務超過ですが、残った資産を少しでも高く売却することで一括返済する道を選びました。資産が売却されるまでの間は、計上できる利益の範囲で返済を行うものとしました。しばらくの間は不良債権のままですが、少なくとも資産が売却されるまでの間は貸し倒れ損失が確定しないため、金融機関としても二次損失が公にならないというメリットが期待できるわけです。


事例13:債権譲渡で節税した例

不良債権処理の一環として外資系に債権が譲渡されました。外資系サービサーは担保不動産に設定してある抵当権実行を背景に全額の返済を迫ってきました。外資系サービサーが担保設定している資産は遊休不動産であったので実際に売却することにしました。鑑定評価を行って把握していた適正な価格を基に外資系と交渉を重ね、売却代金以外には若干の支払いを行うことで決着をつけました。ただし、債務免除を受けると債務免除益が生じるため、債務免除を受けることを拒否し、債務者が指定した会社に債権譲渡させることにしました。債権を買い取った会社は債権の請求を一切行わず、将来時点の経営成績に応じて債務免除を行うことにしました。再譲渡の後、譲受人たる新々債権者は債権の請求を行なわない旨の約定を債務者と取り交わし、事実上の債務免除を行いました。しかし、債務免除の通知を発したわけではなく、法律上は債権者のままになっています。従って、債務者の貸借対照表には負債が計上されたままになっています。請求を行わないことで5年後には消滅時効が完成しますが、必要に応じて債務承認などにより時効の中断も可能です。事実上、再建計画に応じた調整が可能になるわけです。


事例14:債権譲渡で会社を保護した例

複数の会社を経営している事案で、A社は資産保有会社で複数の収益不動産を運営しており、B社は業務運営会社で小売業を行っていました。バブル時にA社は不動産を拡大し借り入れも多額に上りました。この時点では設立間もなかったB社に対して貸付を行い、その金額は1億になっていました。B社は順調な経営を継続してきたため、経営成績は良好でした。バブル崩壊による不動産価値の下落によるA社は不良債権に分類されるに至り、そこで、別会社を設立してA社の目ぼしい不動産を買い受けることにしました。しかし、A社のB社に対する貸付金債権を放置したままでは、A社の債権者が債権者代位権を行使することで、A社に代位してB社に請求してくる恐れがありました。そこでA社が保有する債権を第三者のC社に譲渡することで、A社のB社に対する債権を隔離し、B社を保護することにしたのでした。この例は別会社を設立して再建する基本方針に違いはありませんが、さらに一歩進めて、系列のB社を保護した事例です。このような対策は系列の会社がある場合だけではなく、親族への貸付金がある場合にも検討しておかなければなりませ ん。一般的に代表者は連帯保証を行っている場合が多いでしょうから、社長貸付金を隔離したところであまり意味はありません。なぜならば、債権者の立場からは、社長に対して、連帯保証人として請求をすれば良いのであり、わざわざ主たる債務者である法人に代位して請求する必要はないからです。もし、社長が個人保証していないのであれば債権者代位を回避するために債権譲渡で保護しておくことは有効です。本例のような事例は少なくありません。設例では複数の会社としましたが社長個人である場合も散見されます。また、債権譲渡先も知人の会社であったり、新しく設立した会社であったり、さらには、親族であった例もみられます。


事例15:別会社を利用して相続対策まで完了した例

別会社で資産を購入する場合、その会社で借入れを行うことになります。すなわち、資産と負債がバランスしているのです。資産10に対し負債も10となるため、剰余はゼロです。このような状態でスターとした会社は時間をかけて返済を進め、最終的には資産10に対し負債がゼロ、剰余10となるのです。スタート時点で会社の事実上の所有者を相続人としておくことで、相続対策も完了することになるわけです。実際、旧会社の経営者は高齢であることが多く、また、個人保証をしているために再建した新会社の経営者にはなれないことが多くみられます。個人保証を行っている場合には新会社の所有者である株主にも名を連ねることはできません。別会社を利用した事業再生により、事実上、相続対策が完了するわけなのです。


事例16:3年後に一括返済するとの約定した例

債権がサービサーに譲渡された後、サービサーと返済交渉を行ったものの、担保不動産をめぐって金額の折り合いがつかなかった事例です。債務者としては、唯一の担保である収益用不動産を別会社で購入する計画とし金融機関からの融資も確保しましたが、サービサーの要求する金額には不足していました。交渉が暗礁に乗り上げる形となり、このままでは競売になる可能性が高まってきました。競売は債権者にも債務者にも、双方にとってメリットはありません。そこで、総額を約定し、3年間は家賃で分割返済することで残高を減らし、3年後に金融機関から改めて融資を受けて一挙に返済するという方法で合意したのでした。双方が歩み寄り3年で返済することで合意することになったわけです。この例では債権者と交渉し、その債権者と合意することができましたが、他のサービサーに購入してもらうという方法を行うことがあります。現在の債権者と総額で約定するのではなく、別のサービサーに購入してもらうのです。別のサービサーが現在の債権者であるサービサーと交渉し、債権を購入するのです。安く買えれば別のサービサーの利益になるというわけです。運用時の収入も期待でき、さらに転売時には借り換えによる若干の上乗せも期待できるため、別のサービサーの立場からは三段階で利益が期待できることになります。総額を協定しておくことで債務者の負担が増えるわけではなく、債務者にもメリットになるというわけです。


事例17:別会社に債権譲渡して最終処理をした例

別会社への資産移転も完了し、無担保債権だけが残った状態となった後、その債権の処理にはいくつかの方法があります。債務者の立場からは債務免除益を回避しなければならないからです。旧会社を整理する前提で放置するというのも一つの方法ですが将来に禍根を残すので得策ではありません。放置するのではなく旧会社を整理する方法もあります。すべての資産を移転し、もぬけのカラになってしまったのであれば旧会社を清算してしまうのも一方法です。問題は旧会社を存続する場合です。固定資産売却損などの特別損失があれば課税もゼロに近づくのですが、特に損失がない場合は問題になります。このような場合に備え、当社では債権の受け皿を用意していますが、この事例では債権者と交渉の結果、債務者が自ら設立した会社に譲渡することになりました。一昔前は債務者自らが設立した会社への債権譲渡は避けるのが一般的でしたが、最近はこのような形の債権譲渡も少なくありません。債権者によっては無条件というわけにはいかないという場合もあります。債務者が指定する先に残債権を譲渡するのは良いが、その譲渡先は法人でなければならないのか、個人もでも良いのか、法人とする場合、本人の関与しているところが良いのか、あるいは無関係のところが良いのか等々、細かい点は債権者によって異なります。親族などの個人でも応じることもありますし、債務者とは無関係の法人でなければならないとこだわるところもあります。個々のケースにより異なりますので臨機応変に対応することが必要です。


事例18:弁護士に不動産を売らされた例

何らかの形で事業再生を行った経験がある経営者が弁護士の対応の不備を口にすることは少なくありません。弁護士に相談したところ民事再生を勧められ、それに従ったものの、弁護士の言うままに不動産などを売らされたという例は散見されます。弁護士にしてみれば手間隙をかけて債権者と交渉するよりも、裁判所の力を借りて法的、すなわち、事務的に進めた方が便利なのです。民事再生により事業は継続できるのだからいいだろうというわけです。確かに事業は継続しているのですが、不動産を売らされることで弁護士報酬を作らされるようなものです。たとえばアパート等の収益用不動産は独立採算が取れるのであれば売る必要などはないのです。こういう場合には別会社を設立して資産を移転すれば良いのであり、報酬を捻出するために資産売却を余儀なくされるなどというのは愚の骨頂です。満足に交渉もせず、「相手はこう言ってますけど、どうします?」との伝言だけでお茶を濁す弁護士は少なくありません。何かというと裁判所が納得しないと言ってみたり、話し合いではなく安易に裁判の道を選んだりする弁護士がなんと多いことでしょうか。 そもそも、裁判所に訴え出るのではなく、債権者に相談すべきなのです。たとえ演技であっても、依頼人のために債権者に頭を下げることも必要なのです。ふんぞり返って裁判所を利用するだけで、債権者と満足に交渉できない弁護士は避けるべきかもしれません。そんな弁護士は、私が債務者なら絶対に利用しないでしょう。「事業再生の相談に行ったら破算を勧められた」とか、「債権者が競売(あるいは破産)を申し立てをしてきた例で、民事再生で対抗する努力もせずに破産の手続を受け入れた」などなど、信じられない例も目の当たりにしました。弁護士選びは慎重にすることをお勧めします。


事例19:債権者破産を申し立てられた例

ある時、「債務者が一方的に返済を中止したために債権者が本気で破産を申し立てた」という事例を目の当たりにしました。債務者の返済停止が長引き、これが債権者の逆鱗に触れ、債権者が本気で破産を申し立てたにもかかわらず、債務者は「債権者の破産申立は返済を求めるための方便に過ぎないのであるから、そのような破産申し立ては棄却するよう」に裁判所に求めたのでした。裁判所から破産の開始決定が出されると、債務者は特別抗告で「債権者の行為は商業道徳上の問題がある」とか「債権の一部は消滅時効で消滅している」といった的外れな主張を繰り返し、まさに債権者を相手に争う道を選んだのです。さらに債務者は民事再生を申し立てたものの、結局、裁判所の指定した期日までに債務者と債権者の話がまとまらず、他の債権者も差し押さえなどの法的手段に訴えてきました。こうなると再生の道は閉ざされてしまいます。見守っていた他の債権者が見切りをつけて一斉に動き出したからです。案の定、特別抗告は高等裁判所で棄却され、破産手続きが開始されたのでした。債権者には理解と協力を求めるべきなのです。この事例のように債権者を敵に回すことは致命的になりますので注意が必要です。債権者と敵対する債務者の末路は破産しかないのです。同じような過ちを繰り返すことが無いように十分に注意することが必要です。


事例20:無担保不動産を資産譲渡して新債権者の要求に屈した例

多くの事業用不動産を抱えて不動産賃貸業を行っていたのですが、賃料水準の下落により賃料が減り、返済が苦しくなりました。そこで、別会社を設立して資産譲渡することで再生を図りました。その時、無担保の不動産も別会社に移転してしまいました。債権者は無担保不動産を売却して返済すべしと要求していたのですが、これを無視して、抵当権が設定されていないのをいいことに別会社に移転したのです。これが債権者の怒りに触れることとなり、債権者は強硬な態度に出てきました。債権譲渡が行われ、出現した新債権者が強硬な要求をしてきたのです。「抵当権がついていないことをいいことに、不動産を別会社に移転したのは詐害行為だ」と主張してきたのです。本件では、かかる要求に対抗できるような対策は講じていましたが、新たに出現した債権者の執拗な要求に債務者が降参する形になりました。まさに、新債権者の粘り勝ちです。結局、別会社に移した抵当権のついていない不動産は多くを売却し、新債権者に返済することになりました。本例は、現債権者への根回し不足と、新債権者の要求に耐えられなかったという債務者の弱さが問題だったと言えるでしょう。根回し不足のまま、安易に別会社に移転してしまった後、あわてて私に相談を持ち込んできた例でしたが、既に後の祭りだったというわけです。


事例21:計画が自己満足の域を超えず融資を得られず挫折した例

外食チェーンを展開し、一時は拡大路線を走っていたのですが、経営に行き詰まり店舗の縮小を余儀なくされ ました。拡大路線をとっていた時代の悪しき慣行などが残り、また、必要以上の管理費が経営の足を引っ張っていました。新会社を設立して事業譲渡を 図ろうとしたのですが、経営戦略に新しい戦略が見出せず経営計画に説得力がありませんでした。経営戦略の見直しを説得したものの、最後まで戦略を変えることなく、新たな融資先からの融資も謝絶されることになってしまったのでした。どんな事業も拡大期には景気の良い話が飛び交います。多店舗戦略も波に乗ってどんどん進められます。この段階では、自らの経営手腕が最高のものであるかのような錯覚に陥るのでしょう。ところが一度縮小期に入ると難しい面がでてきま す。膨らんだ間接部門を切ることで組織の運営がギクシャクし始めるのです。切るべき間接部門が残されていたり、切ったとしても、従来行っていた管理が不在になってしまい落とし穴が生じたりする危険があります。拡大より縮小の方がはるかに難しいのです。このようなときに、カリスマ的な経営者であればカバーできますが、縮小期に入った企業の経営者には、拡大期に見られるような勢いが失われていることが多いのです。本例はまさにそんな例でした。多店舗を縮小し、間接部門を大幅にリストラし、採算部門の経営計画を見直すという一連の作業が求められていました。ところが衰退期に入った経営者の限界とでも言うべきでしょうか、やることなすことが全て中途半端でした。経営計画も誰の目にも不十分なものしか作れません。周りが進言しても聞く耳をもたず、一向に改善できなかったのです。別会社への事業譲渡を模索しようにも、経営計画が作成できないため融資を引き受ける金融機関が現れないという状態が続きました。問題は経営計画の甘さにあるのですが、経営者は「業界事情を知らない融資担当者とは話をしたくない」と息巻く始末でした。結局、腹心の部下たちは経営者のもとを去り、全ての自社店舗は競売により失うことになりました。テナントとして賃貸で営業していた数店舗だけは経営を継続することができ、今では無担保となった負債の残りを抱えながら、細々と経営を続けています。すっきりしない結末になった事例です。


事例22:粉飾決算の事実を告白し再生を進めた例

小売業を展開するもバブル期の財テクの失敗が後を引き、さらに多店舗展開が裏目に出たために経営に行き詰ってしまいました。金融機関からの融資を受けるべく粉飾決算を行っていたものの、粉飾の延長では債権者に合理的な説明ができず、ごまかしながら、のらりくらりと返済を続けていました。新規融資は期待できないものの、現金取引を続けることで小売業を続けていました。債権譲渡がなされ、出現した新債権者に対しても粉飾の事実を隠していたのですが、返済を迫られる中で粉飾の事実を隠しきれない状況にまで追い込まれました。粉飾決算を行っていたという事実を告白 し、謝罪することで抜本的な再生を進める方向に戦略を変えた結果、債権者の理解を得られるに至り、事業譲渡を進めることができたのです。打ち明けた結果、 新債権者の無用な疑惑を解消することができただけのことですが、その結果、返済計画にも理解を得られ、強硬な回収姿勢、すなわち、事業の清算を余儀なくされる方向から、事業を継続する方向へと舵が切られたのです。


事例23:空き室を埋めて防衛した例

事業用不動産を取得したものの、不動産バブルがはじけ、当初の見込みを大幅に下回る入居率となってしまいました。離れた場所に集客施設がオープンしたため、その街の人の流れが大きく変わってしまったのです。入居率が20%を切り、約定の返済が全くできない状況になったのですが、債務者は一階で事業を行っていたため、不動産を手放したくないという事情があったのです。入居率が20%となると、返済は全く不能です。しかし、自用を目指す需要者であれば購入を希望するかもしれません。そこで、大幅な家賃の引き下げを実施しました。家賃を大幅にディスカウントすることで入居率を満室に近づけたのです。これにより、当初の返済は大幅な見直しをせざるを得なくなったものの、自用目的の需要者が購入することを阻止することができるのです。満室であり家賃収入が確定している以上、たとえ売却するにしても購入者が提示できる金額も限られることになります。債務者は捨て身の戦法で不動産を守ったのです。事業用不動産の経営は家賃水準と空室率に左右されます。賃料水準が高く、満室であることが最高の状態です。なかなか、そううまくいくものではありません。家賃を下げれば満室になるでしょうが、それでは収益性が劣ることになってしまいます。せっかくの収益用不動産の収益性が低いようでは資産価値が下がってしまいます。空き室を埋めるにあたり、家賃を引き下げれば早く埋まります。この時、収益性は下がりますが、ひとたび埋めてしまえば 家賃は確定します。誰が所有しようが家賃を大きく変えることはできません。このことは現在の所有者が第三者に不動産を奪われるという危険を少なくすることになります。誰が所有しても同じなのですから、わざわざ第三者に売却するまでもないということになるからです。本例では、わざと資産価値を下げるという戦法により、不動産が人手に渡ることを阻止しました。人手に渡るよりは収益性を損なってでも手元に残したいというわけです。


事例24:金融機関の事情に合わせて再生した例

金融機関には金融機関の事情があります。事業再生に必要な債務免除を行うにしても、金融機関が、貸倒損失を計上するには段取というものが必要になります。それまで正常債権であった債権を、突然に債務免除することで、貸倒損失を計上することはできません。突然の貸倒損失は、金融機関の債権管理能力を問われかねないからです。少しずつ、引当金を計上することで、将来の債務免除に備える必要があるのです。そのため、まずは、要管理債権として貸付額の数パーセントを貸倒引当金として計上し、さらに債権の不良化が進み、破綻懸念先となれば、より多額の引当金を計上し ます。金融機関の引当金の計上を促すのが債務者としては得策なのです。債権者が引当金を全額計上してくれれば、債務免除により新たな貸倒損失は発生しませんので、金融機関としても債務免除を行いやすいのです。債務者はただちに債務免除を求めるのではなく、引当金の計上を促すことで将来の債務免除を狙うというわけです。


事例25:利息ではなく元本に充当した例

事業再生にあたっては、背伸びした再生計画は不要です。背伸びしたところで、計画が達成できなければ、その時点で破綻してしまうからです。いたずらに売上増加を狙うのではなく、費用の減少を目指した方が確実な場合も少なくありません。売上増加は他力に依存するものの、費用減少は自力で可能だからです。債権者との関係では、利息支払は不要となることも少なくありません。なぜならば、債権者としては、利息収益を上げても、将来において、貸倒損失を計上するのであれば、早い段階から元本を減らすことで、将来の貸倒損失を減らすことができるからです。また、金利減免、破綻懸念債権として、貸倒引当金の計上を進めることで、最終処理を促すことにもつながります。したがって、債務者としては、利息としてではなく、元本充当をしてもらうことが有利なのです。特に、債権譲渡で出現した債権者については、債権の取得原価が低いため、利息ではなく、元本返済とすることも可能です。ただし、債務者としては、利息であれば損金処理ができますので、税効果を勘案すると利息が有利という場合もありますので注意が必要です。


事例26:債務者の返済能力を明らかにした例

債権者と債務者の利害が対立するため、債務者の返済能力はどの程度かを把握することは極めて重要な課題です。債務者の返済能力は、実際は高いにもかかわらず、債務者が嘘を言えば、少ない返済能力として誘導することもできるわけです。いわば、債務者の信用の問題でもあります。債務者の返済能力×返済年数で返済総額が決まるのですが、その総額が債権者と第三者で合意できれば、第三者が買い取る方法もあります。しかし、第三者がいない場合に、債権者が満足する回収総額を実現するには、長期の返済になってしまいます。一般には、50年も待つ債権者はいません。せいぜい10年か、長くても20年といったところです。各期の返済可能額は債務者の事情ですが、これを会計専門家である税理士などが、正当性を保証することで、信用を補完することが可能になります。一方、返済年数は債権者が決めるので、返済可能額と返済年数の掛け算で、返済総額が決まるというわけです。当社が関与することで、債務者の各期の返済可能額の正当性を保証した例は少なくありません。


事例27:他社による最悪なアドバイス例

最近は、いい加減なコンサルタントが滅茶苦茶な指導(?)をしています。そのような悪質なコンサルタントの実名を掲載したいところですが差し控えます。ここでは、これまでに把握した最悪のアドバイス例を例示しておきます。「借金は返せないのだから、返さないで良い。そのうち銀行が諦めるから放っておけば良いと言われ、放置したら競売されてしまった」「サービサーに譲渡されれば、せいぜい1割程度の返済で済むから放っておけば良いといわれ、債権者破産を申し立てられてしまった例」「特定調停で一挙に解決すればいいと言われ、申し立てたが拒絶され競売された例」「再生支援協議会に丸投げすればやってくれると言われ、申し立てたが拒絶され、サービサーに債権譲渡されて経営権を奪われた例」「破産してやり直せばいいと言われ破産してしまった例」「民事再生法なら必ず再生できると言われ、申し立てたが、債権者の合意が得られずに破産に移行した例」「銀行コンサルタントが調査した結果、追加担保を取るだけ取って追い貸しは拒否された例」等々…。枚挙にいとまがありません。コンサルタントの進め方に疑問を感じ、当社に相談に来られる方は増えています。


事例28:会計事務所との共同作業の例

事業再生において最も大切なことは、債務者の資産価値を正しく把握することと、債務者の返済能力を正しく把握することです。資産価値とは多くの場合に不動産ですが、これは正しい鑑定評価が求められます。返済能力は、当然ながら、税金を支払った後の分配可能利益です。したがって、税金計算も不可欠となります。税金計算は債務者の顧問である会計事務所により適切に行うことが可能です。地元の顧問会計事務所は債務者の強力な味方なのです。最近は、会計事務所からの相談を受け、会計事務所と共同することで債権者との交渉に臨む例が多くなっています。複数の会計専門家と不動産鑑定士が、職業的専門家として責任ある立場から、債務者の業況を正しく評価することで債権者の信頼を得られるので、共同作業を進めることは極めて効果的です。


事例29:金融機関からの紹介を受けた例

当社は金融機関との争いをしないことを事業再生の基本方針としています。債務者は自らの返済能力を最大に発揮して返済するべきなのです。もちろん、いつまでも返済を続けていたのでは、債務者の利得は減ってしまいます。そこで、債権者との真摯な話し合いにより、返済年数あるいは返済総額を決定するのです。合意した返済年数を超える部分は債務者の利得ですので、将来の利得を期待して債務者は債権者に返済を行うのです。あるいは、合意した返済総額を超える部分は債務者の利得ですので、超過する利得を期待して債務者は債権者に返済を行うのです。このように、債務者と債権者の利害を正しく調整することが当社の基本方針です。このような地道な事業再生を10余年にわたって行っているため、時に、債権者である金融機関が、当社名や著書を、債務者に紹介してくれることがあります。金融機関の信頼があるからこそ、債権者が債務者の事業再生を紹介してくれるのです。事業再生の専門家として光栄なことであると思っています。


事例30:他のコンサルタントからの支援要請を謝絶した例

当社はクライアントである債務者と一体となって事業再生を進めます。つきっきりで再生計画を策定することも少なくありません。クライアントと事業再生計画を作成することで、債務者の正しい業況が分かるのです。時々、他のコンサルタントが当社に相談にきます。「融資を確保できないか」というような相談を受けることがあります。当社では、このような「融資紹介」はお断りしています。というのも、クライアントと一体となり事業再生計画を策定する過程で、クライアントとの信頼も生まれ、さらには、偽りのない再生計画を完成させることができるからです。それゆえに、「千代田キャピタルが関与した再生計画なら信用できる」という、債権者からの信頼も得られるのです。債務者と一体となった事業再生を行うのが当社の基本方針ですので、単なる融資紹介はお断りしています。単なる紹介を行ったのでは、債権者の信頼を得ることができないからです。

Ⅵ.業種別対策

2015年2月23日 月曜日
事業再生にあたっては、各業種別の特性に応じた対策を講じます。


ここでは、代表的な業種について対策上の留意点を簡単にまとめます。
紹介するものは、あくまで一例であり、その他の業種に関する事業再生も積極的に行っています。


(1)不動産業
(2)建設業
(3)宿泊業
(4)製造業
(5)小売業
(6)卸売業
(7)運送業
(8)サービス業
(9)飲食業


なお、下に掲げる、さまざまな拙著の中で、当該業種を扱っている部分があります。実例を掲載した書籍名を、各業種別に付記しておきますので参考にしてください。

・「本物の事業再生はこれだ」(2010/3)ファーストプレス社
・「民事再生は必要ない!打つべき手は他にある」(2010/2)ファーストプレス社
・「増補版・実録!債務免除読本」(2009/9)ぜんにち出版
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版
・「事業再生事件ファイル(会社譲渡編)」(2008/9)イースト・プレス社
・「事業再生事件ファイル(債権譲渡編)」(2007/2)イースト・プレス社
・「事業再生事件ファイル(事業譲渡編)」(2006/8)イースト・プレス社

(1)不動産業

特に収益用不動産の場合、その不動産から期待される収益が事業価値の源泉であり、極論すれば、収益用不動産は誰が経営しても同じであるということもできます。オーナーが代わっても、既に入居している賃借人の家賃を引き上げることはできませんし、極端に空室率を改善することも期待できないからです。


オーナーは、個々の不動産の収益性に依存した経営を行うのであり、近隣地域の賃料水準の変化が経営を直撃することになります。さらに、住居系の不動産ではなく事業用不動産の場合には、往々にして管理コストが高くなる傾向があります。


また、たとえば一つの階をそっくりテナントに賃貸ししている場合には、そのテナントが退去した場合には、一挙に収益が減少してしまい経営を直撃します。すなわち、空き室リスクが高いという問題が出てきます。


ときどき、空き室率が異常に高い収益用不動産を見ることがあります。空き室率が高い理由は、家賃設定が高いためなのですが、それは借入金の返済を行うがために、無理に高い家賃設定をする例が見受けられます。家賃が高いと当然ながら空き室率が高くなり、収益増加が見込めないという悪循環に陥ってしまいます。


このような場合には、むしろ、低い家賃で満室にしてしまうという作戦が考えられます。満室にしてしまうことで、その不動産の収益性は低くなりますが、賃借人を追い出すわけにもいかず、結果としてその不動産の価格が下振れすることになります。そのため、債権者は競売にかけたのでは貸付金の回収ができなく なり、競売処分を躊躇することになるのです。


ところで、別会社で不動産を購入するにあたっては、新しい金融機関から融資を受けることになりますが、これまでの修繕履歴がチェックポイントになることがあります。場合によっては、技術者によるエンジニアリングレポートの提出を求められることもあります。近い将来において、不測の大規模修繕を余儀なくされたのでは、せっかく不動産を購入してもたちまち経営破綻に陥ってしまう危険があるからです。


債務者としては、債権者と話し合うことで、別会社で任意売却により購入する作戦(第二会社方式)をとるのが無難です。競売で、第三者に高値の入札をされてしまっては、資産を失うことになってしまうからです。


競売になった場合に、高く買う競合相手がいないかを十分に調べ、その結果、誰も競売で入札しないというのであれば競売で入札することも考えられますが、二番札になるリスクがあるのでお勧めできません。


なお、一般的に任意売却の場合には、競売価格よりは高くなるのですが、価格水準が不明であるとあえて競売を選ぶ債権者もいるので要注意です。


《具体的に不動産業の事例を紹介した参考書籍》
・「民事再生は必要ない!打つべき手は他にある」(2010/2)ファーストプレス社
・「増補版・実録!債務免除読本」(2009/9)ぜんにち出版
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版
・「事業再生事件ファイル(会社譲渡編)」(2008/9)イースト・プレス社
・「事業再生事件ファイル(債権譲渡編)」(2007/2)イースト・プレス社


(2)建設業

建設業の事業再生にあたっては、単純な事業譲渡では済まないという問題点があります。


会社の規模やこれまでの実績により、公共工事の入札資格の制限があったり、事業譲渡を行うと新たに許認可を受けなければならないという都合があるため、従来の会社とは別の会社に単純に事業を譲れば済むというわけにはいきません。 安易に事業譲渡を行うと、実績ゼロの会社から再スタートを余儀なくされることになります。


会社分割の場合は一部を引き継げるものの、建築業の許可はあらためて受けなければなりません。さらに、会社分割により誕生した会社であることは登記簿謄本により明示されますので風評被害は否定できません。


さらに、工事遂行のための資金手当、未成工事の扱い等、細かい配慮が必要になります。このように、建設業の事業再生は他の業種と比べて知恵と工夫が求められます。


《具体的に建設業の事例を紹介した参考書籍》
・「本物の事業再生はこれだ」(2010/3)ファーストプレス社
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版


(3)宿泊業

一昔前は旅行代理店による集客が多かったものの、最近はインターネット他を利用した集客が行われる等、集客構造に変化が出てきています。集客構造の差による資金繰りは宿泊業の大きな課題です。


たとえば、ネットを利用して集客した個人客は現金収入が期待されます。館内での物販等も期待できます。


しかし、旅行代理店による集客の場合は宿泊料も低く抑えられ、宿泊代金は後払いです。旅行代理店が発行したチケットしか使わない客では、旅館としてキャッシュフローが改善されないままです。


費用に目を向ければ、仕入れ業者の決済にも配慮が必要です。極端な話、物品納入を止められたのでは経営が継続できないからです。もっとも、取引業者としても取引を継続したいところであり、強硬な手段に訴えるのは一般的ではありません。


従業員の確保という厄介な問題もあります。観光地の特性により、利用客のピーク時とオフ時の間に、大きな差がある場合、従業員をピーク時にあわせて確保していたのでは余剰人員になりますし、反対に、オフ時に合わせていたのではサービス低下に直結します。場合によっては、施設の一部閉鎖も含めた抜本的な計画により効率的な経営が求められるところです。


施設に関しては、多くの場合ボイラー設備、空調、水回り等に大規模修繕費を充てることとなり、その設備資金をどのように捻出するのかが課題です。


さらに、たとえば食事処を設けることで客を一カ所に集め、コスト削減をしたいにもかかわらず、建物構造によっては大規模なレイアウト変更ができず、依然として部屋出しを余儀なくされるなど、建物構造による限界がある例も散見されます。


同じ観光地・温泉地の中でも、ホテル・旅館の二極化が進んでおり、さらには、観光地・温泉地の間の二極化も進んでいます。


宿泊業の場合、宿泊施設自体が不動産担保として提供されている例が大半です。このような場合、仮に競売されたとして、落札者が現われるのかという視点で自 己分析をする必要があります。たとえば、リゾートホテルチェーンが触手を伸ばすような規模の宿泊施設であれば、需要者があると見込まれますが、誰も応札しないような物件であれば、債務者としては強気の交渉姿勢で臨むことができます。このような場合、比較的、低めの金額で別会社に事業譲渡を行うことが可能になります。ただし、風評被害による経営悪化は否めません。


《具体的に宿泊業の事例を紹介した参考書籍》
・「民事再生は必要ない!打つべき手は他にある」(2010/2)ファーストプレス社
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版
・「事業再生事件ファイル(債権譲渡編)」(2007/2)イースト・プレス社


(4)製造業

製造業の場合、主要な納品先がどの程度のウエイトを持っているのかが大きなカギとなります。短期的な視点からみれば、主要な納品先に大きく依存している方が、在庫の管理などの面でも、また、安定的な取引の面からも望ましいこともあります。しかし、長期的には、納品先の分散は経営を安定させることになり ます。


技術力の差は営業権評価額の差となり、事業再生に大きな影響を与えます。技術力の差があること、すなわち、収益性に期待できるからこそ事業再生も可能になるのです。


ところで、主要取引先が取引企業の業態に制限を設けている場合があります。あたかも建設業における入札資格のように、業歴何年以上ではないと取引しないな どの条件がある場合、納品もままならないことになってしまいます。このような場合には主要取引先への十分な根回し、場合によっては、新設会社ではなく業歴の長い別会社への事業譲渡、あるいは、会社分割による事業再生が必要になります。納品先を確保しなければ事業再生も実現しないのです。


なお、工場用地の場合、危険物・汚染物質の保管等が問題になります。土壌汚染の疑いがあると、別会社への新規融資を行うにあたって、

ボーリング調査を行うことが求められることがあります。土壌汚染が明らかになれば、当然ながら不動産価値が大きく減少します。よって、事業の清算価値も下振れしますが、担保価値も下がるため別会社への融資額が少なくなりますので、既存の債権者との交渉が難航するケースも見られます。


《具体的に製造業の事例を紹介した参考書籍》
・「民事再生は必要ない!打つべき手は他にある」(2010/2)ファーストプレス社
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版
・「事業再生事件ファイル(会社譲渡編)」(2008/9)イースト・プレス社
・「事業再生事件ファイル(事業譲渡編)」(2006/8)イースト・プレス社


(5)小売業

商品により商品鮮度が異なるのは当然です。当然ながら、生鮮食料品と乾物では求められる商品鮮度に大きな差があります。婦人服なども、鮮度の新しさが求められる部類に属します。


一般に、小売店の場合には現金売りが多いため、運転資金は比較的少なくて済むということもできます。


しかし、事業再生に関わる事実が誤って公表されると、保証金の積み増しを求められたり、仕入れにあたって現金決済を求められたりといった風評被害が生じてしまいますので注意が必要です。


なお、業歴が長い小売業の場合には、店舗、倉庫が不動産担保に提供されていることが多いようです。地域の変化は商圏の変化に直結するだけではなく、不動産 価値の変化を通し、小売業の事業再生にも大きな変化を与えます。たとえば、住宅地に所在する店舗であれば、取り壊して、住宅開発を求められるケースもあり ますし、商業地に所在する店舗であれば、店舗のままでの処分を求められるケースもあります。個々の店舗によって、異なる対策が求められます。


《具体的に小売業の事例を紹介した参考書籍》
・「民事再生は必要ない!打つべき手は他にある」(2010/2)ファーストプレス社
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版
・「事業再生事件ファイル(債権譲渡編)」(2007/2)イースト・プレス社
・「事業再生事件ファイル(事業譲渡編)」(2006/8)イースト・プレス社


(6)卸売業

金融業の側面を持つことは卸売業の特徴の一つです。中小零細企業である小売店を取引対象にするため、売上債権の管理が多くなります。したがって、売掛金の回収可能性の判断は経営上の重要なポイントになります。


金融機能を果たすという観点からは、一定の自己資本が必要になるところですが、そもそも、卸売業を営む自社が事業の再生を迫られることになると、資金繰りが非常に苦しい状況になります。昨今のインターネット取引の普及を考えると、業態の変更も課題となります。


卸売業の場合、別会社への事業譲渡で、事業再生を図ることは、比較的容易に進められますので、財務体質の改善を実現するためには、早めに事業譲渡を行うことが得策です。


卸売業は、利益幅が少ないので在庫の評価損は経営を直撃する側面もあり、小売業以上に適正な在庫管理が求められます。事業譲渡にあたっては、在庫商品を破格にて別会社に譲渡することで、別会社の立ち上がり時における利益獲得に寄与することになります。


《具体的に卸売業の事例を紹介した参考書籍》
卸売業に関しては衣料品、食料品、貴金属品等の事業再生を成功させていますが、書籍では紹介していません。個別にご相談ください。


(7)運送業

運送業といっても、運搬具の種類によって様々なケースがあります。船舶による海運業などもありますが、一般的には、トラック等の車両を利用した運送業が多く見られます。運送業の場合、この運搬具の会計上の耐用年数が短く設定されているため、減価償却費が短期・多額になる半面、運搬具の物理的な耐用年数は長いため両者にギャップが生じることがあります。


会計上の耐用年数よりも、物理的な耐用年数の方が長いとはいえ、買い替え時期には相応の支出が必要になります。会計上は、減価償却費を内部留保しておくことで、自己資金による資産の買い替えができるのですが、実際には減価償却費による内部留保部分は支出してしまうことが多く、運搬具の買い替えには資金調達が必要な場合が少なくありません。


また、特に陸運業の場合、駐車場、倉庫などの不動産を担保として提供していることが多いため、このような不動産を確保する必要がある場合には、その対策が必要になるケースが散見されます。


《具体的に運送業の事例を紹介した参考書籍》
運送業に関しては陸運業、海運業等の事業再生を成功させていますが、書籍では紹介していません。個別にご相談ください。


(8)サービス業

サービス業にはさまざまな業態がありますが、一般的には担保となる不動産を持たない場合が多く見られます。この場合、不動産をめぐる債権者との争いは回避できます。しかし、不動産を賃借りして事業を行っている場合には、事業再生にあたって追い出されるリスクが問題になります。


せっかく、金融機関との合意が見込めても、大家さんとの諍い(多くの場合は賃料の不払いです)により、別会社のあらたな賃貸借ができず、追い出されてしまったのでは、せっかくの事業再生が台無しになってしまいます。このような例を何件も扱いましたので賃貸借契約の継続の可否については注意が必要です。


業態の違いにより、さまざまな対策を講じることになりますが、個々の詳細については割愛します。


なお、金融機関との交渉にあたっては、営業権を計上することで債務返済額の調整ならびに節税対策ができることは拙著の中でも紹介した通りです。


《具体的にサービス業の事例を紹介した参考書籍》
・「増補版・実録!債務免除読本」(2009/9)ぜんにち出版
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版


(9)飲食業

飲食業の中でも、個店の再生だけではなく、多店舗展開をしている場合の再生を何件か手がけました。このような場合、進出より撤退が課題になります。 というのも、多店舗展開している間は従業員のやりくりなども融通がききますし、経営自体が活況に満ちています。しかし、経営に陰りが見えると組織は硬直的になり、経営者の意思とは裏腹に、各店舗の運営が空回りするようになってしまいます。各店舗の経営成績に差が生じ、赤字店舗のマイナスを黒字店舗で補うようになってしまいます。早急の整理が必要にもかかわらず、撤退を躊躇する例が少なくありません。


近隣地域の変化が業績を直撃するのは飲食業の特徴です。たとえば、類似店、競合店が近隣地域に進出したり、あるいは、離れたところに客足を奪われたり、地域の変化が飲食業の業績を左右します。


さらに、店舗は所有物件か賃貸物件かにより事業再生の進め方に差が生じます。所有物件であれば買い取り資金が必要になり、あるいは、リースバックによる継続使用を狙うことになります。賃貸物件であれば、別会社で事業再生するにあたって、継続入居ができるのかの可能性を探るとともに、旧会社が家主に差し入れている保証金相当額を確保する必要も出てきます。


《具体的に飲食業の事例を紹介した参考書籍》
・「改訂版 新・債務免除読本」(2009/7)ぜんにち出版

Ⅴ.現行制度の問題

2015年2月23日 月曜日
法的整理の代表例として民事再生手続があります。再生計画が合意されれば再生手続に移行しますが、不合意の場合には破産手続に移行することになり ます。再生型の法的整理と清算型の法的整理はまさに紙一重の関係なのです。一方、私的整理の類型としては個別相対的に合意を取り付ける内整理の他、制度化 された私的整理手続も存在します。その代表例として、裁判外紛争処理手続(ADR)、中小企業再生支援協議会、私的整理ガイドラインの実情と問題点を整理 しておきます。

(1)法的整理の問題点
(2)裁判外紛争解決手続(ADR)の問題点
(3)中小企業再生支援協議会の問題点
(4)私的整理ガイドラインの問題点
(5)私的整理の問題点


(1)法的整理の問題点

私的整理は債務者と債権者の間の話し合いで進められるため、取引先などの外部の第三者に再生手続を行っている事実を知られないまま、手続を進めることができ、迅速かつ低廉に進められるというメリットがあります。

一方、法的整理の場合には、客観性、公平性が求められるために事件が外部に公表されます。このため、商取引の条件が厳しくなったりするような、いわゆる風評被害が生じる危険が高まります。さらに、手続終了まで数年以上かかるのも珍しくなく、申立てにあたって裁判所に多額の予納金を納めなければなりません。

中小零細企業の事業再生にあたっては、多額の予納金もさることながら、風評被害による取引条件の悪化、同業他社からの営業妨害などの悪影響が、再生の致命的な障害になる例が散見されます。


1. 法的整理のメリット
・裁判所の監督があるために、公正さが担保されており、信頼できる。
・債権者が平等に取り扱われるため、損失負担に合理性がある。
・債権放棄による免除益、評価損益に対する税制措置が用意されている。


2. 法的整理のデメリット
・公表されるために商取引に支障が出る。
・風評被害による事業価値毀損の恐れがある。

(2)裁判外紛争処理手続(ADR)の問題点

事業再生ADRは事業再生の円滑化を目的として平成19年度の産業活力再生特別措置法の改正により創設された新しい制度です。

事業再生ADRは基本的に銀行などの金融債権者だけを相手方に調整を進める手続であり、取引先などの売掛債権の債権者を対象にすることはありません。法的 整理と私的整理の双方のメリットを活かすべく、専門的知識を有する実務家による監督下で進められる手続として信頼性を高めています。メリットとしては、専門家の監督があり公正さが担保されていること、債権者が平等に取り扱われ損失負担に納得感があること、債権放棄による消滅益及び評価損益に対する税制措置 が講じられていること等の、法的整理と同様のメリットを挙げることができます。さらに、手続を公表する必要がないために風評被害による事業価値の減少を避 けることができ、本業をそのまま継続しながら金融機関等との話し合いで解決策を探れるという私的整理と同様のメリットを期待することも可能です。

しかし、事業再生ADRは、「私的整理ガイドライン」とは異なり、メインバンク主導の手続ではなく、債務者が一時停止通知を発送しても、一時停止通知は罰則等による強制力を有していないため、一時停止の通知は期限の利益の喪失事由とはなっていません。一時停止に反して回収等を行った場合など、ADRの調整 枠組みが崩れると、法的整理に移行する可能性が極めて高くなります。

このように、ADR制度による手続は債権者に対する強制力はなく、合意が得られなかった場合には特定調停や民事再生手続といった法的整理に移行せざるを得ず、法的整理に移行した後にも合意が得られない場合には、破産手続に移行するという危険を有しています。

また、ADRを進める実務家に対し高額の報酬が求められ、小規模の事案には費用負担が困難であるために利用できないという制約があり、中小零細企業の場合には、事実上、利用できない手続きとなっています。

(3)中小企業再生支援協議会の問題点

中小企業再生支援協議会は、産業活力再生特別措置法41条に基づき、中小企業再生支援業務を行う者として認定を受けた商工会議所等の認定支援機関を受託機関として同機関内に設置されています。

この中小企業再生支援協議会とは、銀行、信用金庫、信用組合、信用保証協会、政府系金融機関等の一般金融機関である債権者を対象とし、債権放棄を行うこと で債務者企業の再生に繋がり、当該企業向けの残存債権の回収がより確実になることにより、債権者の損失が最小限に抑えられるような場合に、債権者と債務者の間で協議を行うものです。各債権者にとっては、債務者が例えば破産法や民事再生法などの法的倒産処理手続に至った場合に想定される回収額よりも、私的整理において債権放棄を実施し事業を継続させながら回収を図った方が、より多くの回収が見込めることなどがこれに該当します。

中小企業再生支援協議会は、公正中立な第三者機関であり、中小企業(債務者)の代理人でも金融機関(債権者)の代理人でもありません。公正中立な第三者としての立場から、企業の事業面、財務面の詳細な調査分析(デューデリジェンス)を実施し、かつ当該企業が窮境に至った原因の分析等を実施したうえで、債務者による再生計画案の策定を支援するとともに、金融機関に再生計画案を提示し、金融機関調整を実施するという立場をとっています。中小企業(債務者)と対 象債権者のいずれの立場にも立たない中立公正な立場から、再生計画案の策定支援を実施するものであり、再生計画案は相談企業が作成するものとされています。中小企業再生支援協議会は相談企業による再生計画案の作成を支援するに過ぎず、積極的な計画の作成を行っていないところに限界があります。

さらに、中小企業再生支援協議会による解決には強制力はなく、多数決で決することはできません。同意が得られない対象債権者を拘束することはできず、一部の対象債権者の同意が得られないときは再生計画が成立しないという問題も抱えています。

当社では、必要に応じて、債権者である金融機関との調整を行いながら、債務者の立場に立って、中小企業再生支援協議会による解決を目指すこともあります。

(4)私的整理ガイドラインの問題点

「私的整理に関するガイドライン」は、企業の私的整理に関する基本的な考え方を整理し、私的整理の進め方、対象となる企業、再生計画案の内容等についての関係者の共通認識を醸成するために、平成13年に全国銀行協会及び日本経団連等が中心となって発足した「私的整理に関するガイドライン研究会」によって取りまとめられたものです。

これは私的整理を公正かつ迅速に行うための準則として、金融界と産業界を代表する者が中立公平な学識経験者などとともに協議を重ねて策定されたものとされており、金融機関の不良債権の解消を早期に実現するため、私的整理を行う場合の関係者間の調整手続を取りまとめた手続規定です。

対象となる私的整理は、会社更生法や民事再生法などの手続によらずに、債権者と債務者の交渉と合意に基づき、返済の猶予や債務の減免などにより、経営困難な状況にある企業を再生するためのものであり、多数の金融機関等が後述の主要債権者又は対象債権者として関わることを前提としています。

対象債権者の債権放棄を受けるときは、支配株主の権利を消滅させることはもとより、減増資により既存株主の割合的地位を減少又は消滅させることが原則とされ、株主責任を追及されることが明確化されています。債権放棄を受ける企業の経営者は退任することが原則とされ、経営責任を追及されることも明確化されています。

計画案に対して対象債権者全員の同意が得られないときは、このガイドラインによる私的整理は終了し、債務者は法的倒産処理手続開始の申立てなど適宜な措置をとらなければならなければならず、いわば、計画の成否は破産手続への移行に直結しています。

私的整理ガイドラインは金融債権者調整を公平かつ迅速に行うための手続として取りまとめられたものであり、あくまで紳士協定であり、債権者を強制するものとはなっておらず、債権者間の調整をスムーズに行うものとしては不十分な手続です。

手続規定であることから、事業再生計画に必要となる金額を算出する拠り所となるものではない点も、私的整理ガイドラインの限界として指摘されます。

(5)私的整理の問題点

私的整理のデメリットとしては、不正が行われやすいということが挙げられています。裁判所を通さずに行われるために、強行な姿勢を貫く債権者からの合意が得られない場合には私的整理そのものが成立しないこともあります。この場合は、一部債権者による内整理という方法が選択されることになります。

私的整理を規制する法律はないため、いつ何時、債権者の態度が変わり競売などの法的手段を講じてくるかが不明であるという不安定要素も否定できません。さらには、債権者側としては債務者の履行が確実に行われるのかという懸念が残るのもデメリットとして指摘されます。

1. 私的整理のメリット
・公表されないために商取引を円滑に続けられる。
・本業をそのまま継続しながら、金融機関等との話し合いを進められる。

2. 私的整理のデメリット
・債権放棄による損失の無税償却が困難である。
・債権者間の意見をまとめにくい。

Ⅳ.Q&A

2015年2月23日 月曜日

これまでに寄せられた代表的な質問にお答えします。


Q1:別会社を設立するとはどういうことですか?
Q2:経営権は確保できるのですか?
Q3:役員に就任してもらえますか?
Q4:融資先を確保できるのですか?
Q5:債務免除は必ず受けられますか?
Q6:サービサー等に債権譲渡された場合でも対応できますか?
Q7:競売を回避できますか?
Q8:返済条件の変更を求められますか?
Q9:再生計画の作成は可能ですか?
Q10:臨時的な相談は可能ですか?
Q11:一般の不動産鑑定と違いがあるのですか?
Q12:不動産鑑定評価をお願いできますか?
Q13:コンサルティング報酬はどのように決めるのですか?
Q14:成功報酬は必要になりますか?
Q15:他に手数料が必要になりますか?
Q16:どれくらいの期間がかかるのですか?
Q17:コンサルティング契約は何ヶ月ですか?
Q18:債務免除益に対する課税はどうなりますか?
Q19:弁護士や税理士などの紹介は可能ですか?
Q20:粉飾決算をしている場合でも再生は可能ですか?
Q21:従来から顧問をお願いしている会計事務所との共同作業は可能ですか?
Q22:決算申告業務をお願いできますか?
Q23:金融機関との交渉をお願いできますか?
Q24:相談内容の秘密は守られますか?
Q25:これまでの実績はどの程度ですか?
Q26:保証債務は免責されますか?
Q27:民事再生法との違いはなんですか?
Q28:ADRとの違いは何ですか?
Q29:再生支援協議会との違いは何ですか?
Q30:他のコンサルティング会社との違いは何ですか?
Q31:弁護士事務所との違いは何ですか?
Q32:複数の会社を経営している場合も再生できますか?
Q33:債権者との交渉はどのように行うのですか?
Q34:予備調査は必ず実施するのですか?
Q35:予備調査はどこで実施するのですか?
Q36:事業再生後の節税・資産形成対策も相談できますか?
Q37:短時間の無料相談は行っていますか?
Q38:学会活動は何のために行っているのですか?
Q39:地方の案件でもコンサルティングは可能ですか?
Q40:出版物の販売は行っていますか?
Q41:従業員を採用する予定はありますか?
Q42:無資格者との違いは何ですか?
Q43:競売での落札は可能ですか?
Q44:リースバックは確実ですか?
Q45:付け替え融資は可能ですか?
Q46:乗っ取り被害はありますか?
Q47:友人に頼むのは安全でしょうか?
Q48:身内に反対者があるのですが再生できますか?
Q49:詐欺害行為にはなりませんか?
Q50:債権者の金額交渉はどのように進めますか?



Q1:別会社を設立するとはどういうことですか?

あらたに別会社を設立し、順調な経営が期待される事業部門を新会社に承継することで再生を行う場合が一般 的です。税金の滞納の有無、債権者の動向などにより新会社の設立方法に微妙な違いがでてきます。役員を同族以外あるいは従業員以外にしなければならないか否か、個人保証をどのように扱うか等々の問題もクリアーしなければなりません。


さらに別会社への融資も確保しなければなりません。形式的には別会社でも、実質的には現在の経営者による事業承継となります。当社では、「現在の経営者による経営の継続」を最大の目標とし、個々の事例に最適な再生計画を作成するだけではなく、その実現に向け全力で支援しています。



Q2:経営権は確保できるのですか?

一般に行われているM&Aでは、スポンサーが出現して経営を譲り受けます。再生ファンドなどはその典型例 です。資産の流出を回避し、顧客を確保し、従業員の雇用も守ることで「会社の再生」は可能となっても、従来の経営者は経営権を手放すことになってしまいま す。これでは真の再生とは言えません。当社のコンサルティングは形式的には別会社であっても、実質的には現在の経営者の会社を利用することで会社の再生を図る、という点に大きな特徴があります。「現在の経営権を守ること」がコンサルティングの最大の目標です。



Q3:役員に就任してもらえますか?

債権者との交渉の都合などの理由で、別会社あるいは既存会社の役員他に就任する必要が生じる場合があります。経営陣に参画し、事業再生を支援しています。経営陣として参画することで、金融機関等との交渉がスムーズに進むことがあります。



Q4:融資先を確保できるのですか?

当社は国内外の金融機関、投資ファンドとの業務提携を行っています。提携先とは守秘義務契約も締結済ですので、安心して相談することができます。信用状況、担保状況により差があるために断言はできませんが、審査基準に適合する場合には新たな融資先を紹介することが可能です。この場合、既存債務の肩代わり融資により一挙に事実上の債務免除を実現することが可能となります。数千万円程度の短期融資であれば、当社独自に融資を実施することも可能です。



Q5:債務免除は必ず受けられますか?

どのような場合でも必ず債務免除を受けられるというものではありません。予備調査により債務免除の可能性、コンサルティング効果の有無を判断します。借金の棒引きという形での債務免除が難しい場合であっても、会社分割や事業譲渡で債務免除を実現し、あるいは、債務者に有利な形での返済条件変更を取り付けることで事実上の債務免除を受けることも可能です。



Q6:サービサー等に債権譲渡された場合でも対応できますか?

債権譲渡がされた場合は債務免除を取り付ける絶好のチャンスです。なぜならば、新債権者は債権額を大幅に下回る価格で債権を購入している場合が大半であるからです。従って、「購入価格」を若干上回る金額の返済を行うことで残額の免除を取り付けることも可能です。当社では、この「購入価格」を試算し、返済計画を含めた再生計画を作成することで債務免除を取り付けるお手伝いをしております。



Q7:競売を回避できますか?

競売による処分は金融機関にとっても最後の手段であり、できれば避けたいのが本音です。金融機関との交渉 を行う一方で新規融資先を確保し、別会社が買い受ける形で資産を確保する道を模索します。この場合は新規融資先を確保する必要があり、また、新規融資先へ の返済方法も問題となります。当社では、新規融資先を紹介するだけではなく、別会社の返済計画の策定まで全面的に支援しています。競売を回避するだけでも充分な経済効果が期待できますが、担保売却代金の一部を金融機関に返済せずに、手許に残したい場合も有効です。



Q8:返済条件の変更を求められますか?

早めに金融機関との交渉を行い、無理の無い返済条件に変更してもらうことが大切です。単なる返済の先送りではなく、返済能力に合う計画的な条件変更を行うことが重要です。当社では、単に債務者の立場からではなく、金融機関が納得する形での返済計画を策定することで、債務者に有利な形での条件変更を実現しています。



Q9:再生計画の作成は可能ですか?

金融機関から再生計画を求められている場合、説得力のある再生計画を作成することが必要です。単なる経営 計画であれば経営者自身が納得すれば良いのですが、再生計画となると金融機関という他人を納得させるものでなければなりません。限られた利益の中から返済を行うわけですから、金融機関が「満足する」レベルの返済は出来ない場合が通例です。従って、金融機関が「満足する」返済ではなく、「納得する」返済を行えば良いのです。当社では、最大7事業部門×最大20拠点の事業成績・事業計画を瞬時に自動集計して会社全体の再生計画を作成するパソコンソフトを開発しており、迅速かつ正確な業務を行っています。事業部門・拠点ごとの事業計画の見直しや、資産の処分等、状況の変化にも臨機応変に対応できる体制になっています。



Q10:臨時的な相談は可能ですか?

可能です。コンサルティングとは別に、単発的な形で臨時相談も行っています。相談結果を受けてコンサルティングの導入を決断していただければ結構です。税務相談や不動産鑑定評価の相談も歓迎します(詳細は専用パンフレットをご覧ください)。



Q11:一般の不動産鑑定と違いがあるのですか?

担保不動産の鑑定評価の場合、収益還元法による収益価格の他、競売価格なども試算しなければなりません。 金融機関の立場から、競売時の配当額を予想することも必要になります。金融機関の立場から債務者を見ることにより、「どの程度の回収が可能か」を判断し、どの程度返済すれば納得してもらえるのかを予測します。当社では、単なる鑑定評価ではなく、金融機関が納得する担保価格まで算出しています。実用新案登録済(登録第3098583号)の「担保評価一覧表」は金融機関対策に威力を発揮します。鑑定評価だけでも充分な効果が期待できます。



Q12:不動産鑑定評価をお願いできますか?

金融機関によっては正式な鑑定評価書を求めるところがありますが、簡易評価でも良いというところもあります。ニーズに合わせて最適な内容の鑑定評価を判断し、適切に実施しています(詳細は専用パンフレットをご覧ください)。



Q13:コンサルティング報酬はどのように決めるのですか?

難易度の高低、効果の大小、負債総額の大小、担保不動産の件数、所在地の遠近等に応じて個別に決定させていただきます。例えば、次のような場合はコンサルティング報酬の減額要因となります。


ⅰ)年間返済額が小額である場合。
ⅱ)担保不動産が小規模・少数である場合。
ⅲ)案件が複雑でない場合。
ⅳ)損益計算書・貸借対照表に関するデータの作成・入手が容易である場合。
ⅴ)東京からの往復が短時間であり、かつ、便数が少なくなく、日帰りが可能な場合。


コンサルティング報酬とは比較にならない経済効果を得られるからこそ、数多くのご用命をいただいております。過去の実績が効果の高さを実証しています。



Q14:成功報酬は必要になりますか?

着手金や成功報酬は不要です。コンサルティング報酬は月払いとし、その算出明細を提示することで報酬額の明確化を図っています。契約時に約定した報酬額以外、成功報酬などの費用はかかりません。金融機関への返済額を見直すことで当社への報酬額を捻出することが可能な場合も多く、この場合は新たな費用負担は不要になるわけです。



Q15:他に手数料が必要になりますか?

売却する必要もないのに物件を売却させて手数料を稼いだり、債務者側にたって債権者と交渉すべきところ、債権者側と通謀して債務者を説得し、合意に導くことで成功報酬を得ようとする業者や弁護士もいます。手数料制、成功報酬制のコンサルティングは要注意です。当社の場合、約定の月額報酬以外は不要です。



Q16:どれくらいの期間がかかるのですか?

クライアントの状況により変化しますので一概には言えませんが、通常の場合は数ヶ月から半年程度が一つの目安となります。規模にもよりますが、数年にわたって何十億円もの削減効果をあげている案件も少なくありません。報酬は算出基準を明確にしたうえで、月払いとすることで明確にしております。コンサルティング効果を見極めつつ、いつでも無条件で解約していただいて結構です。



Q17:コンサルティング契約は何ヶ月ですか?

コンサルティング契約は毎月の自動更新です。一定の効果が出た段階で打ち切ることもご自由です。打ち切りにあたっての追加費用などは一切不要ですので、予算の範囲内でコンサルティングを導入することが可能です。



Q18:債務免除益に対する課税はどうなりますか?

単に債務免除を受けたのでは巨額の債務免除益が発生し、課税対象になってしまいます。そこで、債権者との交渉により、債務免除ではなく債権譲渡をしてもらいます。当社が債権を譲り受け新債権者となることで、クライアントの経営状態に応じた債務免除を実現させることが可能になるのです。当社では債権の買取業務も行っています。



Q19:弁護士や税理士などの紹介は可能ですか?

可能です。但し、地元での作業や相談が多くなると予想されますので、できるだけ地元の専門家に相談することをお勧めします。東京の外資系企業等との交渉が必要な場合は、地元の弁護士・税理士では力不足の場合もありますので、必要に応じて在京の専門家を紹介します。当社単独ではなく、各分野の専門家と連携して多角的なコンサルティングを実践しています。御社指定の専門職業家とも入念な打合せを行います。



Q20:粉飾決算をしている場合でも再生は可能ですか?

可能です。粉飾決算を行っている会社は少なくありません。この場合でも再生は可能です。ただし、粉飾の事実を訂正する必要があります。債権者に与える影響を最小に抑えつつ訂正します。粉飾決算を訂正することにより、かえって債権者の信頼を得られるように誘導します。



Q21:従来から顧問をお願いしている会計事務所との共同作業は可能ですか?

可能です。従来から経営を支援してくれている専門家がいる場合は、共同で再生業務を行います。事業再生は法的側面よりも税務・会計的側面が重視されるとの認識に立ち、全国の会計事務所、法律事務所の先生方と協力しながら、事業再生を実践しています。



Q22:決算申告業務をお願いできますか?

決算申告業務は決算日が集中し、期限が限られます。事業再生業務は債権者との交渉など、債権者に合わせたペースでの活動が求められます。よって、両者を両立させるのは困難ですので、記帳代行や決算申告などの一般の税理士業務は行っていません。必要に応じて会計事務所を紹介いたします。決済申告を依頼する会計事務所と共同で、事業再生を実践します。



Q23:金融機関との交渉をお願いできますか?

クライアントと同行する形で金融機関との交渉を行っています。弁護士は法律の専門家ですが、経営計画の作成には不慣れな面も否定できません。当社が参加することで金融の専門家同士での話し合いとなるため、話の進み具合は極めて迅速なものになります。ただし、金融機関の中にはコンサルティングの介入を警戒する場合もありますので、このような場合には入念な打ち合わせを行い、交渉は本人あるいは弁護士に任せるというように役割分担を行います。場合によっては顧問税理士として参加することもあります。個々の事例に応じて最適な方法を採用しています。



Q24:相談内容の秘密は守られますか?

全く心配ありません。事実を完全にお知らせいただかないと正しいコンサルティングを行うことができません。そのためにも秘密保持には万全を期しております。予備調査の段階から守秘義務契約を締結しますのでご安心ください。



Q25:これまでの実績はどの程度ですか?

これまでに関与した再生事案は200件以上、取り付けた債務免除の累計額は既に200億円を大きく上回っています。過去の実績・経験を活用するだけではなく、日々の活動を通して事業再生を取り巻く最新の動向を見据えた活動を実践しています。



Q26:保証債務は免責されますか?

何の犠牲もなく保証債務を免責してもらうのは困難です。一定範囲の責任の履行が求められます。債権譲渡等により主たる債務を免責してもらう時点で、保証債務の免責を受けるのが効果的です。最も犠牲の少ない方法を模索します。



Q27:民事再生法との違いはなんですか?

民事再生に代表されるような法的整理では風評被害が問題になります。さらに、法的整理では従来の経営者の経営責任を厳しく問われます。一方の私的整理では再生の事実は公表されませんので風評被害は回避でき、再生計画も比較的自由に策定することができます。私的整理の問題点である計画の妥当性、公平性を保証することで金融機関の協力を取り付け、事業の再生を図ります。



Q28:ADRとの違いは何ですか?

事業再生を目的としたADR(裁判外紛争処理手続)は私的整理の一態様として、計画が公表されずに進めら れるなどのメリットが挙げられています。しかし、実際にはADRを進めると、計画が公表されることが少なくありません。弁護士他に支払われる報酬額とは別 に、ADRを利用するために多額の費用が必要になります。事実上、ADRは大型事業の再生に限られており、中小企業の再生にあたっては、相手にしてもらえ ないという根本的な問題を持っています。



Q29:再生支援協議会との違いは何ですか?

再生支援協議会はお見合いを手配する仲人のようなものです。実際には専門家による計画策定が進められます。この専門家が、時として銀行寄りの立場に立つという問題が指摘されています。再生支援協議会では別会社方式による事業再生にまで踏み込みにくい場合があります。現に当社では、再生支援協議会で再生できなかった案件の再生を何件も成功させています。



Q30:他のコンサルティング会社との違いは何ですか?

最近は “自称”専門家のコンサルタントも増えてきており、無責任で、いい加減なアドバイスをしているところもあるようです。無資格の担当者が、間違ったアドバイ スをしている例も散見されるので要注意です。単に計画を作れば良いのではなく、債権者との話合いが不可欠となります。債権者と債務者が協力することで事業再生を果たすのです。そのためには債権者の立場を理解しなければなりません。これは債権回収の経験がないと難しいと言えます。単なる法律事務所や会計事務 所では対応が難しい理由がここにあると言えるでしょう。まさに知識と経験がなければ難しいのであり、無資格の担当者には荷が重い業務なのです。当社の事業再生は金融機関との争いを避け、債権者との協調により事業再生を進めることを本旨としております。単に事業を再生するのではなく、経営者一族を 守る形での事業再生を実践しています。当社では、全ての案件について担当者に任せるのではなく、有資格者である代表者自ら実践しますので安心してお任せい ただけます。



Q31:弁護士事務所との違いは何ですか?

事業再生は法律論ではありません。むしろ、経営系の専門家が活躍すべきフィールドです。債権者が法的に争う道を選んだ場合には法的対抗手段も必要になりますが、争いになる前に解決する方が多いのです。事業再生は法律事務所ではなく、会計事務所や経営コンサルタントとともに解決すべき問題なのです。



Q32:複数の会社を経営している場合も再生できますか?

複数の会社を同時に再生する場合も少なくありません。会社の数の差によってコンサルティングの内容が変わるものではありません。経営者一族を守るのが目的ですので、複数の会社を経営していても何の問題もありません。



Q33:債権者との交渉はどのように行うのですか?

債権者は第三者の出現を警戒するのです。弁護士が「代理人」として出現すると、債権者は相手にせざるをえ ません。代理人を名乗る以上、一切の窓口になってもらうからです。弁護士にしてみれば手間暇かかる交渉などをやっている暇がないので、法的整理を指向する のです。中には債権者を事務所に呼びつけるような高圧的な態度の弁護士もいますが、債権者の協力などは期待できるはずがありません。コンサルタントがこまめに動くとしても、出しゃばると、債権者から「次回からは会いません」と言われてしまいます。したがって、私的整理で話をまとめるには、債務者が前面に立ち、第三者は補足や支援に回るのが効果的なのです。その際、不動産鑑定士や税理士といった、有資格者としての側面を強調し、債権者の稟議書をまとめやすいように、たとえば、意見書を作成して提出することで、債権者への支援も行います。そうすることで、結果的に債務者の希望を実現するというわけです。



Q34:予備調査は必ず実施するのですか?

必ず実施します。創業以来、全ての案件に予備調査を実施しております。予備調査を通して、再生の可能性を探り、おおよその方向性を見極めます。予備調査により無用の誤解を避けるとともに、再生の進め方に納得していただいてからコンサルティングを実施することになります。



Q35:予備調査はどこで実施するのですか?

当社オフィスあるいは、相談者の事業所で行ないます。たとえば担保となっている不動産を現地で確認した方 が良い場合、多くの関係者が予備調査に同席したい場合などは、当社オフィスではなく相談者の事業所で行った方が効率的な場合もあります。ただし、この場合 には日当・交通費が加算されます。費用対効果を見極めて、どちらかを選んでいただくことになります。



Q36:事業再生後の節税・資産形成対策も相談できますか?

事業再生が完了すると、かならず節税が課題になります。利益が確保できるからこそ事業再生ができるのであり、課税対象利益が過大になるのは当然の話です。事業再生後の節税・資産形成対策までフォローできるのは当社独自の強みです。



Q37:短時間の無料相談は行っていますか?

実態を把握するのに最低でも一時間は必要です。その後、計画全体を策定するには半日程度が必要になります。短時間で把握するのは困難であり、実態把握をしないままに再生の計画は立てられません。新規の事案に対して、短時間の無料相談は行っていません。



Q38:学会活動は何のために行っているのですか?

最新の情報を把握するだけではなく、理論的な整合性を保証することを目指しています。事業再生に対する取り組み姿勢を正当化するために、単なる実務的な実践ではなく、事業再生に対する学問的・理論的な裏付けを行なっています。



Q39:地方の案件でもコンサルティングは可能ですか?

可能です。交通費・日当等の負担をしていただきますが、地方でも全く問題なくお引き受けしております。守秘義務ゆえに詳細は公開していませんが、北海道、東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州、沖縄と全国をカバーしています。こまめに現地を訪問することで、地元の金融機関の信頼を得られるように努力しています。



Q40:出版物の販売は行っていますか?

これまでに出版した書籍は10冊以上になります。当社では数冊の在庫を有していますが販売目的ではありません。出版物の販売は行っていませんので、最寄りの書店あるいはインターネット書店での購入をお願いします。



Q41:従業員を採用する予定はありますか?

時々、従業員としての採用を申し込んでくる方がいらっしゃいますが、当社は新規採用の予定はありません。確実な再生を実現するため、いたずらにコンサルティング件数を増やすのではなく、代表者が自ら対応できる範囲で引き受けています。よって、現在の事業規模を拡大する予定はありません。



Q42:無資格者との違いは何ですか?

有資格者は法令による特別の責任が課されますが、無資格者はこのような責任がありません。単に金融機関経験者であることを強調する業者もありますが、それだけでは何にもなりません。中小企業診断士も法令上の独占業務が認められていません。無資格者が中小企業診断士を名乗っても罰則はないため、偽中小企業診断士が存在しますので注意が必要です。また、代表者は有資格者でも無資格の担当者が窓口になることがあるので要注意です。



Q43:競売での落札は可能ですか?

競売の場合には入札資金の確保が困難な場合が少なくありません。また、二番札になれば物件を失うことになってしまいます。入札者を変えて複数の金額で札を入れ、1番2番を独占したら、1番を放棄することで安く取得するというような手法も行います。競売で落札するためには工夫が必要です。確実に取得するには債権者との話し合いで任意売却を目指すべきです。



Q44:リースバックは確実ですか?

第三者に物件を所有してもらい、これを借り受ける方法をリースバックと呼びます。物件所有者は取得額の10%程度の賃料と、約定経過時に10%増の金額で買い戻しに応じるという例が一般的です。所有者との信頼関係が求められるところです。当社の評価に合致する物件であれば、当社が所有者になるなどの方法でリースバックを積極的に支援しています。



Q45:付け替え融資は可能ですか?

債権者と債務者の間で一括返済に合意できる場合は少なくありません。このとき、別の金融機関から肩代わり融資を確保できるならば、話はスムーズに進みます。しかし、一括返済額が高額で、別の金融機関を確保できない場合もあります。このような場合には、現債権者との話し合いにより、別会社に融資をしてもらうことで解決することがあります。このような付け替え融資を行うことも少なくありません。当社でも積極的にサポートしています。



Q46:乗っ取り被害はありますか?

債務者からの一括返済を期待する金融機関が、債務者の同業者に事業譲渡を迫ることがあります。このような場合、事業を乗っ取る形で、同業者に経営権を奪われてしまいます。事業は救われますが、経営者は破綻に追い込まれてしまうのです。このような事態に陥らないように、現経営者による経営継続を目指します。



Q47:友人に頼むのは安全でしょうか?

信頼できる友人知人であれば安全と言えるかもしれません。ただし、不慮の事故で亡くなってしまうと、相続人との権利関係が複雑になる危険があります。債務者自身と、友人知人は信頼関係で結ばれていても、相続人とは何の関係もないのが一般的です。したがって、将来に禍根を残さないためには、たとえ信頼できる間柄であっても経営権の帰属等をはっきりと書面に残しておかなければなりません。



Q48:身内に反対者があるのですが再生できますか?

最大の抵抗勢力は身内にいることが少なくありません。いわゆる積年の恨みというか、骨肉の争いというか、人間同士の感情のもつれがある場合には、金銭で解決できないことが少なくありません。このような場合には、世代交代を理由に子供への事業譲渡をしたり、事業売却を理由に別会社に譲渡することで、身内の態度が軟化することがあります。債権者対策とは別に、何らかの対策を求められるので注意が必要です。



Q49:詐欺害行為にはなりませんか?

詐害行為は極めて抽象的な観念です。たとえば、同じ任意売却行為であっても、債権者として売却金額に不満があるから詐害行為になるのです。債権者が満足していれば、たとえ安い金額でも、詐害行為は問題になりません。すなわち、債権者をして抵抗勢力にしなければよいのです。債権者と敵対するのではなく協調することで、詐害行為であるとの主張を避け、債務者主導の事業再生を実現します。



Q50:債権者の金額交渉はどのように進めますか?

債権者は自ら金額を提示しません。債務者に金額を提示させた上で、より高い金額を求めるのです。いわば、後出しジヤンケンで勝つようなものです。不動産評価であれば不動産鑑定士として、経営価値評価であれば税理士として、客観的な金額を基に債権者との金額交渉を進めます。

Ⅲ.予備調査

2015年2月23日 月曜日

現在の経営者による経営継続を実現します。

予備調査は当社のコンサルティングによる再生可能性の有無、そのメリットの有無を判断するために実施するものです。予備調査を行うことで御社の状況を把握できるだけでなく、おおまかな再生計画を把握することが可能です。

当社では、すぐにコンサルティング契約を締結するのではなく、予備調査を通して適正な再生計画を提示させていただいております。予備調査の結果、当社の都合でコンサルティングを辞退する場合は報酬額を返戻いたします。まずは予備調査を実施することをお勧めします。予備調査を実施するにあたって、次の情報が必要になります。一部の情報については、フォーマットを用意し、ホームページ上で公開しています(フォーマットにとらわれる必要はありません。情報が把握できれば、どのような形の資料でも結構です)。

 

(1)予備調査の概要
(2)予備調査の特徴
(3)予備調査に必要な資料
(4)コンサルティング実施までの流れ

(5)報酬規程

(6)臨時相談

 

 

(1)予備調査の概要

 

1.予備調査は、本格的なコンサルティングを行う前に実施するもので、半日程度をかけて会社の概況を把握し、再生計画の概要を策定するというものです。多くの場合、午後1時から始めて夕方までかかります。

 

2.会社の経営状況や財政状態を把握するだけで、最低でも1時間はかかります。どのような経緯で借入を行ったのか、どのような返済をしてきたのか、担保や保証はどのように設定しているのか、これらを把握するだけで1時間以上を費やします。さらに、金融機関別の交渉経緯を整理することで、各金融機関の回収姿勢を探ります。それぞれの金融機関ごとに回収姿勢が異なるからです。経営成績を把握することはもちろんのこと、粉飾決算をしている会社も少なくありませんので、その対策も避けては通れません。

 

3.処分しても良い資産と、絶対に確保しなければならない資産を区別して、保全すべく対策を講じます。不動産についてはインターネットを利用して現状確認を行い、簡単な評価額を調査します。収益用不動産の場合には家賃表などをもとに収益還元法による価格を調査します。

 

4.別会社への事業譲渡・資産譲渡を行う場合には資金手当ても講じなければなりません。会社分割の場合には株主構成に配慮します。時として、株主の中に思わぬ抵抗勢力が存在することもあるので要注意です。

 

5.概要を把握できた後、細かい再生計画を策定します。これにも数時間を要します。時には夕方を超えて、夜になってしまいますが、予備調査を終えた段階では再生計画のあらましは策定できています。

 

6.当社オフィスではなく相談者の事業所で予備調査を行う場合もあります。たとえば担保となっている不動産を現地で確認した方が良い場合、多くの人々が予備調査に同席したい場合などは、当社オフィスではなく相談者の事業所で行った方が効率的な場合もあります。ただし、この場合には日当・交通費が加算されます。費用対効果を見極めてどちらかを選んでいただくことになります。

 

(2)予備調査の特徴

 

1.最近は事業再生を掲げるコンサルタントが増えてきました。当社が事業を開始した2000年当時は皆無に等しかったので、様変わりというべきかもしれません。しかし、自称専門家の中には無資格者が見よう見まねで、間違ったアドバイスをしているところも散見されます。そのような業者のアドバイスにより事態が悪化してから当社に相談しにくる経営者が増えてきました。そもそも事業再生は高度な経営の問題です。無資格者が対応するのは無理な話なのです。また、法律事務所では再生計画を立案できません。なぜならば、財務諸表を読んだり、節税対策を講じるのは法律家には荷が重いからです。まして、不動産の評価まで期待するのは無理というものです。

 

当社では、予備調査の段階から、不動産鑑定士・税理士の有資格者である代表者自らが事業再生の策定を行います。

 

2.事業再生にあたっては、じっくりと計画を練ることが必要です。このためには時間を十分にかける必要があります。ちょっとした面談で片付けることはできません。「相談無料をします」などという新参業者が見られるようになってきましたが、要注意です。なぜならば、十分な時間を割いて、戦略的な事業再生計画を策定するという作業は、もはや無料相談といったレベルでは対応できないからです。

 

当社では、半日をかけてじっくりと戦略的事業再生を策定します。
予備調査を終えた段階では事業再生の方向性は見えるようになっています。

 

(3)予備調査に必要な資料

 

1.会社の概要

本社の他、子会社・関連会社との資本的・人的関連を含め、会社の概要をお知らせいただきます。

 

2.損益計算書

過去3期分の損益計算書で経営成績を把握します。

 

3.貸借対照表

過去3期分の貸借対照表で財政状態を把握します。

 

4.借入金一覧

金融機関別の返済状況(元本・支払利息)・残高等を把握します。

 

5.予備調査申込書

予備調査申込書に予備調査を行うにあたっての権利義務関係を簡単に明示してあります。

 

6.担保一覧

不動産の他、全ての担保設定状況(保証も含む)を金融機関別に把握します。

 

7.資金繰表

過去・将来の資金繰状況を把握します。

 

 

pdf事業再生 ダウンロード コーナー

予備調査資料集(PDF、エクセル)をダウンロードできます。
PDFファイルはアクロバットリーダーという閲覧ソフトが必要です。
こちらからダウンロードしてください。無料配布されております。

pdfPDFファイルexcelEXCELLファイル

 

(4)コンサルティング実施までの流れ

flow

 

(注1)

特にお急ぎの場合は、資料の発送と同時に予備調査見積書をお送りします。

(注2)

当社で実施する場合は、一律55,000円(税込)を申し受けます。ご指定の場所で実施する場合は、日当と交通費を加算させていただきます。訪問場所によって日当と交通費が異なりますので、個別に見積書を作成し、FAXまたは郵便でお送りします。金額の算出方法は、報酬規定に記載してあります。

(注3)

物件確認・現地調査をする必要がある場合、多数の参加者がいる場合、資料が多い場合等は、ご指定の場所で実施する方が効率的であることが少なくありません。

(注4)

仮予約の段階で、他のコンサルティング業務が入った場合にはコンサルティング先の業務を優先とし、仮予約日程を変更させていただきますのでご了承願います。

(注5)

本予約の段階で、スケジュールを排他的に確定します。

(注6)

難易度の高低、効果の大小、負債総額の大小、担保不動産の件数、所在地の遠近等に応じて、相談の上で個別に報酬を決定させていただきます。コンサルティング契約の見積書を作成し、ご指定の宛先にお送りします。

(注7)

当社の都合でコンサルティングの実施を辞退する場合、予備調査報酬55,000円(税込)をお返しします。
御社の都合によりコンサルティングを実施しない場合には、予備調査報酬を返戻いたしません。

 

(5)報酬規定

 

(1)10時出発・18時帰着が可能な場合は日当として33,000円(税込)を加算させていただきます(東京駅基点)。

(2)10時出発・18時帰着が困難な場合は次のようにさせていただきます(東京駅基点)。

ⅰ)日帰りが可能な場合は、出発時刻と帰着時刻に応じて、日当を次の通り算出いたします。

 

(税込)

 

帰着が18時以前

帰着が19時以前

帰着が20時以前

帰着が21時以前

出発が10時以降

33,000円

44,000円

55,000円

66,000円

出発が9時以降

44,000円

55,000円

66,000円

77,000円

出発が8時以降

55,000円

66,000円

77,000円

77,000円

出発が7時以降

66,000円

77,000円

77,000円

77,000円

 

ⅱ)日帰りが不能の場合は日当の他に、宿泊費として2万円を加算させていただきます。

ⅲ)7時以前出発の場合は日帰り不能(前泊)として扱わせていただきます。

ⅳ)21時以後帰着の場合は日帰り不能(後泊)として扱わせていただきます。

 

詳しくは報酬規定を参照してください。

 

(6)臨時相談

 

小規模事業者を対象に、あるいは特別のお申し出をいただいた場合に、臨時的・単発的な形でご相談に応じています。一連のコンサルティング業務を継続的あるいは断続的に実施するものではありませんが、臨時相談の場合も御社を実際に訪問し、御社の実情に照らして具体的・即戦的なアドバイスを行いますので、再生策の概要を把握することが可能となります。

詳しくはお問合わせください。

Ⅱ.費用と効果

2015年2月23日 月曜日

予備調査を実施するにあたっての費用と効果は次の通りです。

予備調査段階

予備調査にあたっては一律55,000円(税込)を申し受けます。日当・交通費・宿泊費は別途申し受けます(詳細は報酬規定の通り)。

 

当社あるいは、ご指定の場所で、半日以上の時間をかけて、丁寧に実情調査を行います。予備調査により、コンサルティングの有効性を判断するとともに、再生の可能性を判断し、さらには大まかな再生計画を策定します。予備調査では具体的な再生計画の概要を明らかにすることができます。

予備調査の結果、当社の都合によりコンサルティングを辞退する場合には、予備調査報酬を返戻いたします(日当・交通費は除きます)。
予備調査の結果、御社の都合によりコンサルティングを実施しない場合には、予備調査報酬を返戻いたしません。

 

コンサルティングを実施するにあたっての費用と効果は次の通りです。

コンサルティング段階

コンサルティング報酬は月払いとし、費用の明確化を図っています。難易度の高低、効果の大小、負債総額の大小、担保不動産の件数、所在地の遠近等に応じて、個別に約定させていただいております。

正式なコンサルティング報酬は、予備調査により再生計画の概要を策定した後に提案させていただきますが、特別の事情がない限り、毎月のコンサルティング料は5万円から10万円程度が目安になります。但し、出張にあたっては報酬規程に基づいた出張報酬を申し受けます。出張報酬については「Ⅲ.予備調査 (5)報酬規程」のページをご参照ください。

なお、着手金や成功報酬等のご負担は一切不要です。

 

報酬は月払いですので、万が一、効果がないとのご判断であればいつでも解除可能です。
金融機関への返済額を見直すことで、当社への報酬額を捻出することが可能な場合も多く、この場合には新たな費用負担は不要になります。
年間返済額が数千万円の中規模の場合はもちろん、年間返済額が小規模あるいは返済猶予中の場合であっても充分に経済効果が期待できます。
不動産の評価を実施したい場合はもちろん、競売処分の回避、新会社設立による事業継承、新規融資先の確保等々を検討しているのであれば多大な経済効果が期待できます。さらには担保売却代金の一部を、返済せずに残しておきたい場合も有効です。

 

1.金融機関別に無理・無駄な返済額を見直します。

 

借入額・担保状況等を勘案し、金融機関別に妥当な返済額を見極めます。これにより、無理・無駄な返済額を見直すことができます。

返済を停止あるいは減額することで支出を抑制することも可能となります。

 

2.鑑定評価により資産・負債の実態を把握します。

 

単に価格を求める鑑定評価ではなく、更に進んで担保価値の把握を行います。金融機関別に抵当権の設定状況を洗い出し、抵当権が実行された時の担保価値を把握します。債権者の立場から見た担保価値を明らかにすることができます。当社作成の担保評価一覧表は実用新案登録済(登録第3098583号)です。

清算を想定したB/Sの作成を支援します。これにより、資産・負債の実態を把握することができます。

担保価値の他、過去の返済状況や将来の返済可能額をもとに債権価値を算出します。これにより、金融機関との交渉のベースを把握できます。

 

3.再生計画の作成を支援します。

 

個々の債権者を対象とした私的整理を想定し、事業譲渡・会社分割等により債務免除を受けるための再生計画の作成を支援します。

同時に、全債権者を対象とした私的整理を想定した再生計画を作成します。万一、民事再生法等の法的手続に移行する場合にも流用できる内容の再生計画を作成します。

銀行との交渉・協力が必要な場合には、全面的な支援を行います。

 

4.別会社の設立を支援します。

 

資産や営業権を移転するための別会社設立を支援します。適任者が見つからない場合などには代表者の就任も引き受けております(形式的には別会社ですが、実質的には現在の経営者の会社となります)。

必要に応じ、債務者とともに銀行との交渉にあたります。交渉を通し、債務免除を取り付けます。

 

5.新規融資の確保を支援します。

 

別会社を設立して資産譲渡あるいは事業譲渡を行う形を採用する場合、別会社が新たに融資を受ける必要があります。当社では融資先の紹介はもちろん、融資を受けるための事業計画の作成支援も行っています。

数千万円程度の短期融資であれば、当社独自に実施することも可能です。

 

6.不良債権の買い取りを行います。

 

必要に応じ、当社が債権を買い取る交渉を行います。当社が新債権者となることで、再生計画にあわせた債務免除を実現できます。

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